Episode Guide

08-04:記憶喪失
(THE WAY WE WEREN'T,1997/9/24,1998/4/29,1999/8/14)

ケリーは「逆行性健忘症」にかかっており、ここ数年の出来事を思い出せずにいた。また、新しい情報を脳にキープしておくのも困難で、なかなかモノが覚えられないという状態にあった。体の回復は順調なため、医師曰く「ドーパミンを使用して脳の働きを高めたりなど、今後は記憶を元通りにする治療に専念する」とのこと。ただし、脳の障害は複雑なので成功する保証は持てないという。自然に記憶が戻ることもあるが、効果があるのは、家族や友人が頻繁に見舞いに来て、ケリーが好きだった物を見せたり話したりするのがいいらしい。それを聞いたブランドンは、みんなに協力を求めた。

【バレリー、ケリーを見舞う】
早速病院へやって来たバレリーは、何か思い出すかも・・・と、高校・大学時代のアルバムを持参した。ケリーはバレリーとの記憶も失っていて、「初めて会ったみたいな気がする」と話した。バレリーは、ケリーがブランドンの事で何か思い出したかと訊ね、「周囲はケリーとブランドンのことをいろいろと言うかもしれないが、鵜呑みは駄目・・・全部信じるのは禁物よ。確かに二人は愛しあっていたが、彼がすべてというわけではない。その証拠に、指輪を指にしてなかったでしょう?私が言いたいのはひとつだけ・・・なかったかもしれない事を、無理やり思い出そうと躍起にならないこと。」と言った。

ケリーは、ノアが知り合ったばかりの人物であると聞いて驚いた。ケリーにとって、ノアが一番知ってる人物のような気がしていたからだ。事実、ケリーの体内にはノアの血が流れていた。ノアはケリーと同じAB型で、緊急手術の際に輸血をしたのだった。
ノアに密かな想いを寄せていたバレリーは、ノアについて教えて欲しいと言うケリーに、ノアには既に恋人がいるかも・・・と返事をした。ところが、ノア本人が「今はフリーだ」と言ったらしくと、バレリーは「ケリーとノアなら上手く行くかもね」と返事をしてしまった。そして、ノアに恋人がいるかどうか調べて欲しいと言われたバレリーは、静かな声で「頑張ってみるわ」と返事をした。バレリーとは逆に、ニコニコ顔で喜ぶケリー。

【ブランドン&ケリー】
ブランドンは、ケリーが絶えず肌身離さず持っていた指輪だったので、きっとまた身に付けたいのでは・・・それを見れば自分を思い出すかもしれないと、ケリーにダイヤの指輪を渡したが、ケリーは指輪&ブランドンの事は思い出せないままだった。そして、いつ思いだしてくれるのか・・・廊下でそう呟いた。

シアトル・タイムス新聞社/グロベッキ氏から政治部デスクの誘いを受けたが、ブランドンは現状を正直に告げ、1週間だけ待ってもらえることになった。話しを聞いたケリーは、自分の為に諦めて欲しくないとブランドンに言うが、ブランドンにとっては「ケリーのため」ではなく、それは「自分たち二人のため」で、ケリーが記憶を取り戻した時、自分がそばに居たいのだと告げた。そう言われたケリーは、ブランドンの想いが少し重たそうな表情をして、ハワイ旅行の写真を見ようと提案した。1枚ずつ写真をめくるブランドン、スティーブやバレリーの名前を言うケリー。ブランドンは何か思い出したかと訊ねるが、ケリーの答えはノーだった。

そこへ、ケリーが撃たれた事件の担当刑事がやって来た。ブランドンが面通しをした男からは、銃を発砲したという硝煙反応が出なかったと聞かされて驚く二人。ブランドンは再度警察で写真をチェックすることになった。刑事が帰ると、ケリーはハワイの写真を置いてって欲しいと頼み、ブランドンは何か考え事をしながら病室を出ていった。写真をめくるケリーは、ノアの写真を見つめた。

ケリーは、ノアに興味を持ち始めていた。
見舞いに来たノアに、ケリーは「ウィンストンを持ってきて!きっとママが知ってるから」と頼み、ウィンストンを連れたノアが再び病室へやって来た。ピンクのクマのぬいぐるみ・・・それがウィントン。
ケリーとノアは、医師の勧めで少し外出することにした。ノアとビーチの散歩をするケリーは、少しだけ記憶を取り戻した。ヨハンセン教授の哲学を履修していた事、住んでいたビーチアパートのこと、自分の部屋のこと・・・。ノアは「焦らなくても、時が来れば自然に思い出すだろう」と励ますが、ケリーは「出来れば思い出したいが、新しい人生を歩むのも悪くないかなと・・・」とつぶやいた。

その頃病室では、ブランドンがケリーの帰りを2時間も前から待っていた。ケリーがノアと一緒に戻ったのを見たブランドン。ノアは「一緒にビールでも」と声をかけたが、ブランドンはイラついた表情で断り、ノアは病室から出ていった。
ケリーは少し記憶が戻ったことを話した。アパートやドナ、クレアの事を話すケリーに、ブランドンは自分たちのことはどうか?と訊ねるが、「No」の返事に無言のブランドン。

ノアがケリーと外出したのを気にくわないブランドンは、翌日ノアが住むヨットを訪ねた。

ノア:
医者から外出するよう勧められ、ケリーをビーチに連れていく約束をしていたので行っただけだ。
ブラ:
他にケリーとどんな約束をしたんだ?バレリーも口説いたんだろ?関わりのない女性の名前を挙げてくれた方が手っ取り早い!
ノア:
誰と会おうが関係ない
ブラ:
相手がケリーなら関係ある。
ノア:
君とケリーの間に波風を立てる気はない。もし近づきすぎたのなら離れる。自分が知ってる限り、君らはずっと愛しあってるんだろう?
そう言われたブランドンは、「あぁ...そう思うけど....」と静かに答えた。

ブランドンは「Reptile Room Bar」へやって来た。ノアも一緒だった。スティーブとデビッドがビリヤードをしている間、ブランドンはノアから助言された。「今日という日は二度と来ない。だから不意にしたら駄目だ。その日その日が貴重だと思えば、迷ってる暇なんかないだろう。ケリーが居なくても、ブランドンはブランドン・・・自分を見失うな。ケリーの回復を待ちたければ、情熱を持ってじっと待てばいい 記事を書きたければ、シアトルでもどこへでも行って書けばいい。ブランドンの人生だ、それを忘れるな。」
そう言われたブランドンは、面会時間を過ぎたケリーの病室にやって来て、シアトルへは行かないと報告した。ブランドンが病室から出ていくと、ケリーは首にしていた婚約指輪を外して、ベッド脇の引き出しにそれを仕舞った。引き出しの中には、ノアの写真も仕舞われていた。

【ドナ/ゴライアス探し】
ドナは多忙なMs.ジェーン・シュルツの代わりに、愛犬ゴライアスを獣医に連れて行くことを申し出た。獣医の駐車場に到着し、ゴライアスを車から降ろしている際、Mrs.シュルツから携帯電話が入った。ドナが購入する靴の変更確認をしていると、ゴライアスが隙をついて逃げ出してしまった。Mrs.シュルツによれば、ゴライアスは獣医大嫌いらしい。
愛犬が逃げてしまった事をMrs.シュルツに言い出せないドナは、P.P.A.D.にいるデビッドの所へ飛んでいった。パニックのドナから事情を聞いたデビッドは、Mrs.シュルツに「ゴライアスは一晩病院で預かることになった」と連絡して、その間に二人で探し出すのだと提案した。一緒にいたノアも、力になりたいがと申し出るが、デビッドは「こんな疲れること人には頼めません」と言った。デビッドは以前にも、ドナが逃がしてしまった鳥を探した過去があった。それは、「キューティ・パイ」という、ドナが元彼氏ジョーからもらった鳥だった。

ポスターを作り、夜11時まで探し回ったが、結局ゴライアスを見つける事が出来なかった。Mrs.シュルツには既に2度も誤魔化しの電話をしていた為、これ以上騙せない・・・と悲痛のドナ。デビッドは、「今すぐ電話をして全てを話す」というドナを、明日洋服を届けるまで待ってみれば?となだめた。その甲斐あって、翌日、ドナが覚悟を決めてMrs.シュルツの家の玄関を叩いていると、ゴライアスが一人で戻ってきてドナの横に立った。

【ドナ、バレリーと組む】
ドナは、クライアントの代わりに洋服を買ってくるという仕事を引き受け、ブティック「パレス・グラフ」へ来ていた。 そこには、近くで面接があったというバレリーも来ていた。セールス会社の面接をしたらしいが、どうも肌に合わないらしい。ドナは携帯電話のキャッチホンで、Mrs.フリーバーグとMrs.マスグレーブを同時に相手していたが、何度も代わっているうちに両者から電話を切られてしまった。パニックになっていたドナを見たバレリーは、ドナの携帯電話をリダイヤルし、Mrs.マスグレーブに電話をかけた。そして、「私はドナの同僚のバレリー・マロン。彼女の都合がつかないので、会うのは明日にして欲しい」と告げた。助かったドナは、ついでにMrs.シュルツの犬も探して欲しいと頼んでみた。

ゴライアス探しのポスターを作りながら、ドナはバレリーと組むことをデビッドに話していた。デビッドは「相手はバレリー。稼ぎを全部取られたらどうする!」と心配するが、ドナ曰く「バレリーはテキパキしていて、趣味もいい」とのこと。

【スティーブ、ブランドン/新聞社】
スポーツ・エージェントを目指すスティーブは、母校・カリフォルニア大学の女子バスケチーム選手「シャーロット・キャンベル」に目をつけていた。スティーブは人気バンドのコンサート・チケットをプレゼントし、シャーロットもそれを喜んだ。

超ビッグなスポーツ・エージェント「ドルー・ザレスキー」に会う事になっていたスティーブは、エージェントとして独り立ちできそう・・・と浮かれていた。スティーブのシナリオは、「シャーロットをゲットした事を彼に話せば即採用」だった。しかし、スティーブの考えは甘かった。体育館でザレスキー氏と会ったスティーブは、得意げにシャーロットの話しをするが、ザレスキー氏から人生の教訓を与えられることになった。
ザレスキー氏は、スティーブがシャーロットにプレゼントしたコンサートチケットを手にしていた。

ステ:
自分があげたものだ
ザネ:
いや、やってないんだ。プロだったら、あげたと言うべきではない・・・たとえどんなに疑われようとも。
ステ:
学生がエージェントからプレゼントをもらったらどうなるかわかっているのか? たちまち出場停止処分。そのチケットでシャーロットの将来を棒に振るところだった。
君に人生の教訓を与えよう・・・馬にも乗れないうちからカウボーイ・ハットを被るんじゃない

ラッシュは「今のスティーブに必要なのは、上手くやっていけそうなビジネスを自分の責任において始めること」と言い、スティーブにチャンスを与えるべく、自分がオーナーを務めていた<街の小さな新聞社>の経営を任せることにした。そこはゴシップ専門の三流紙と言われており、ラッシュが無能な社員全員をクビにしたため、オフィスはそのまま残っているが機能していなかった。

スティーブは、ブランドンを「ビバリーヒルズ・ショッパー(Beverly Hills Shopper)」のオフィスに案内した。自分は経営を、ブランドンは編集を担当して、これから二人で好きな新聞を作ろうと提案するが、ブランドンにその気はなかった。

ブラ:
オフィスには何もない。ゼロから何が生み出せるというのだ。経営には従業員が必要・・・記者を始め、広告を担当する営業マン、アートディレクターやコンピューターの専門家、印刷機の設備も必要だ。
ステ:
デビッドには音楽やクラブ、映画のネタを提供してもらう。ドナはファッションで、自分はスポーツ。ブランドンは編集と、自分の誤字チェックだけだ!
ブラ:
運転資金はどうするんだ!
ステ:
ミニコミ紙時代の受取勘定が6万ドルあり、機動に乗るまではそれを使うよう言われている。利益は自分たちのもの・・・金の成る木だ!
スティーブがそこまで言っても、ブランドンはその誘いを断った。
しかし、「Reptile Room Bar」でノアから助言されたブランドンは考えを改め、スティーブと一緒に新聞社をやることに決心した。ブランドンからの条件は、「スティーブが経営全般。自分が編集全般で、記事の採用不採用は自分の一存で決定する」だった。晴れて二人の契約は成立した。

【デビッド/P.P.A.D.経営不振】
大学が始まったにもかかわらず、クラブの入りはイマイチだった。デビッドのストレスは溜まる一方で、新しいバンドを呼ぼうかと迷っていた。しかし、いくらイカすバンドを見つけても、街に活気がなければ効果はないだろう・・・そう呟くデビッドに、ノアは心当たりがある2、3のバンドをスカウトしてみないか?と持ちかけ、デビッド、ブランドン、スティーブ達を「Reptile Room Bar」へ連れていった。

【ノア】
ノアは、バレリーがどんな人物かデビッドに訊ね、デビッドは「金とセックスの一言に尽きる。金が無ければ相手にしない。執着するのは大金、株、遺産。キャッシュ、小切手、クレジット・カード。金を手に入れる為なら手段を選ばない。」と答えた。
ノアは東部の出身で、大学はハーバート。両親は金持ちだが、自分は地道にやってるという人物らしい。「Reptile Room Bar」は常連らしく、店員の女性はノアの事を知っていた。

8-4 STAFF
  • Coordinating Producer:BETTY BEARDON
  • Consulting Producer:MICHAEL CASSUTT
  • Producer:JOHN WHELPLEY
  • Producer:KENNETH MILLER
  • Produced by:JON PARE'
  • Executive Producer:JASON PRIESTLEY
  • Executive Producer:JOHN EISENDRATH
  • Executive Producer:PAUL WAIGNER
  • Created by:DARREN STAR
  • Written by:MICHEAL CASSUTT
  • Directed by:FRANK THACKERY
Guest Starring
  • ANN GILLESPIE
  • JED ALLAN
  • ROBERT GOSSETT
  • DANIEL DAE KIM
  • JANE ROGERS
  • JACUELINE COLLEN
  • TAMARA CLATTERBUCK
  • DEAN TARROLLY


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