彼女の名前が「エルビア」だという事だけ分かった。ブランドンは、ビルのオーナーが「サウンド・トラップ不動産」であることを突き止めたが、「ソーホー・ミックス&マッチ社」のデータは企業情報DBに掲載されておらず不明。しかし、ビルは消防条例と衛生条例に違反していることは分かった。ドナは、午後の仕事をバレリーに代わってもらい、ブランドンと工場のオーナーを調べる事にした。
サウンド・トラップ不動産へやって来たブランドンとドナ。ブランドンは、受付脇の壁に、スティーブの父ラッシュの写真が飾られているのを発見して驚いた。スティーブに何と説明して良いか動揺する二人。
早速、ビバリービートに戻ったブランドンとドナは、自分たちが見てきたことをスティーブに報告した。スティーブは、サウンド・トラップ不動産がラッシュの会社の子会社である事は知っていたが、そこが搾取工場のビルを所有している事は知らなかった。ラッシュは街じゅうに不動産を所有しているが、テナントがどんなビジネスをしよういようが、それはオーナーに関係ないのでは?と反論した。しかし、ビルの設備は最悪だった。ラッシュが搾取に関わっていると決めつけてるわけではないが、実際には2つの条例に違反しており、それはオーナーの責任となる・・・そうブランドンに言われたスティーブは、直接自分が父親に確かめれば分かることだ!!!!と、オフィスを不機嫌に後にした。
「Sandtray PROPERTIES社」へやって来たスティーブ。話を聞いたラッシュは、細かい事は部下に任せているので、ビルに工場があることすら知らなかったと言った。そして、搾取工場は許せないので、調査をしてみて、それが労働法に違反しているようであれば改善することを約束した。また、消防条例の件も、順に修理しているので心配ないと告げた。ラッシュは、法律に引っ掛かるようなことはしていないとスティーブに言った。 市の登記簿を調査したブランドンは、サウンド・トラップ不動産はビルを所有するだけでなく、ソーホー・ミックス&マッチ社のオーナーとしても登録されている事がわかった。問題は消防条例違反だけでなく工場が労働法違反をしていれば、その責任は会長であるラッシュにもあるということになるという。スティーブはブランドンがこの件を記事にすると聞いて、L.A.タイムズへの就職が断られた腹いせに、大きなスクープで見返そうという魂胆だろうと、ブランドンの事を責めた。対立することになったブランドンとスティーブ。
翌日。ブランドンとドナは、工場の前でエルビアが出てくるのを待っていた。しかし、出てくる人の中に、エルビアの姿はなかった。前日彼女と一緒だった女性を見つけた二人は、その行方を訊ねるべく声をかけたが、みんなは関わりあいになりたくないかのように、急いでドナの前から去っていった。
その頃、ビバリービートのオフィスには、エルビアが訪ねていた。オフィスにはスティーブもいたが、カーリーとの約束がある&この件には係りたくない為、オフィスを出ていこうとした。しかし、エルビアが「ドナさんに何か言ったのではと思われて、工場をクビになったと」と言っているのを耳にしたスティーブは、オフィスに戻って、エルビアを優しくなだめた。
スティーブは、もっと詳しく話しを聞かせて欲しいと言い、その内容は録音させてもらうことにした。
名前はエルビア・アルバレンガ。出身はエルサルバドルだが、アメリカに来ればいい暮らしが出来ると言われたらしい。そして、
夫に死なれて、仕事で出来ないこと困る・・・と、エルビアは話しを続けた。
工場で働く者は給料が安い上、一日16時間も働かされ、トイレに行く時間さえ制限されているという。残業代もなし。給料は出来高払いで、商品の出来が悪ければ支払われないという。しかし、売り物にならないと言われたものでさえ、それは市場で売られていたという。
証言がとれたスティーブは、自らラッシュのオフィスを訪ね、どういう事かと説明を求めた。 労働法の違反に関しては、責任は工場のオーナーであって、自分の責任ではないと言うラッシュ。スティーブがブランドンが調査した内容を告げると、「いまの時代、ビジネスマンとして生き残るには、多少不本意な事に巻き込まれても目を瞑るしかない。44人の移住者が働く工場に、好きで名前を貸しているわけではない。」と反論した。しくじったラッシュ・・・44人という人数を知っていたことを指摘されてしまった。スティーブは、自分は正しいこと・・・全てを公表する覚悟だった。
オフィスに戻ってきたドナは、ブランドンからエルビアのテープを聞かされて驚いた。ブランドンは名前を伏せて書くこともできると提案するが、スティーブはラッシュも事実は知っていた・・・と、事実を書くようブランドンに頼んだ。ただし、ラッシュが改善すると言ってることも書き加えるのが条件だった。
【スティーブ、カーリー】
ピーチピットへやって来たスティーブは、ザックと3人でマジック・マウンテン(絶叫マシンのある遊園地)へ行こうとカーリーを誘うが、「楽しそうだけど興味ナシ」だった。ザックには学校があるし、絶叫マシンには身長制限もある。スティーブは1日くらい学校をサボっても計算が出来なくなるわけでもないし、身長は上げ底の靴で誤魔化せる!と説得。スティーブは自分が経営者なのでいつでも休めると言い、カーリーは考えておくと返事をした。
ザックの身長は124cm。身長制限が122cmだと分かったカーリーとザックは、ビバリービートにスティーブを訪ねて、マジック・マウンテン行きをOKした。ザックは大喜びで、カーリーはスティーブに礼を言った。待ち合わせは、明日の10時にピーチピット。
仕事でバタバタしてしまったスティーブは、すっかり約束を忘れてしまった。しかし、ドナから言われて気付いた時には、すでに夕刻だった。カーリーの家に謝りに来たスティーブ。カーリーは当然怒っていたし、ザックもそうだった。とにかく謝りたいというスティーブを中に入れたカーリー。スティーブは「信じてた誰かに裏切られたらショックだろう・・・自分もある人に裏切られた。いつかザックに許してもらえるといいんだけど。」と、背を向けて遊んでいるザックに話謝った。帰ろうとするスティーブに、ザックが「裏切った人のこと許してあげる?」と声をかけた。スティーブが「そのつもりだ」と答えると、ザックはスティーブの元にかけよって抱きついた。そんな二人を、静かに見つめるカーリー。
【ケリー、ブランドン/面通しするが・・・】
ブランドンは事件の夢にうなされて目が覚めた。ケリーが撃たれたのは自分の責任ではないが、潜在意識がその事を認めたくないというブランドン。自分が撃たれれば良かった・・・と呟くが、ケリーから「男の論理だろうが、悪いのはブランドンではなく犯人だ」と言われた。
明後日には、ケリーが犯人の面通しをすることになっていた。このままでは立ち直れない・・・。しかし、それも少しの辛抱だと自分たちに言い聞かせるブランドンとケリー。
ケリーは、ノアに誘われてクルージングへやって来た。
ケリーはブランドンが心配している事をわかっていたが、あまり神経質になって欲しくないと思って、その事をノアに相談した。ノアは、ケリーを撃った犯人が捕まれば元通りになるとアドバイスし、自分も一緒に面通しに付きあうか?と申し出た。ケリーは自分が記憶を失っている間、自分とブランドンの間に割り込もうと思えば出来たのに、それをノアがしなかった事に対して感謝している・・・それだけで力になってくれていると告げた。
その夜は、ケリーはブランドンとマリーナのレストランで待ち合わせをして、ノアとは何でもないから気にしないよう言った。ブランドンは少しだけ気になっていた。
ブランドンとケリーは警察へやって来た。ケリーは、「思い出したくないという気持ちもある」と呟き、ブランドンは「これが終わってしまえば前に進めるんだ」と返事した。ウッズ刑事に呼ばれたケリーは、一人で面通しする部屋へと入った。ガラスの向こうに立った5人の男性をじっくりと見て、事件当夜のことを何もかも思い出したケリーだが、一言「中には居ません」と言った。1番目ではないのか?と念を押されたケリーは、「違う」と答えた。ブランドンが確認した1番の男性に、ケリーは見覚えがなかったのだ。
ケリーは、一人で帰ってしまった。
ブランドンが証言した男性は、起訴を取り下げられることになった。被害者の確認が取れない以上、釈放するしかないのだ。二人に不安がよぎる。
その夜、ブランドンが帰宅すると、ケリーはベッドに入っていた。そして、背中越しに、「いつまで経っても終わらないかもね・・・犯人は捕まらないかもしれないから。」と呟いた。ケリーの肩に手をやり、その手を握るケリー。
【バレリー、ノア】
朝食のシリアルを準備していたバレリーは、リッチなクライアントのクーパー氏から電話を受けた。一緒に朝食をと誘われたが断ったバレリーに、クーパー氏は「誰か来るのだろう?」と言った。誰も来る予定がないのに・・・と思って「ノー」と返事をした瞬間、玄関のチャイムが鳴って驚いた。やって来たのは、ブランドンから洗濯機を使ってもいいと言われたノアだった。ノアの後ろに見える道路には、クーパーのリモが止っていた。受話器を持ったままノアを迎えたバレリーは、しばらく同時に二人を相手にしていたが、一旦電話を切ることにした。
ノアは、ハワイへヨットを回す仕事を引き受けたため、2、3日にはL.A.を離れ、しばらく戻らないという。そんあ話しをしていると、再度クーパー氏から電話が入り、大切なクライアントを逃すわけにはいかないので、ノアとは夕方会うことを約束。18時までにマリーナの33番に係留されている「スローダンス」に来るよう告げたノアは、バレリーにキスをした。
ノアとのデートの為にお粧ししているバレリーに、ドナから仕事の電話が入った。用件が済み、バレリーはドナに訊ねてみた。
そこへ、クーパー氏が夕食も一緒にしようと訪ねてきた。大事な用があるのでと断るバレリーだが、サンフランシスコの「マーク・ホプキンス(Mark Hopkins (Inter-Continental) Hotel)」を予約していると言われたバレリーは、「ジェット機でひとっ飛びさ」と言われて、心が揺らいでしまった。
その頃、ノアはマリーナでバレリーが来こない事にイラついていた。
翌日。ノアがクリーングを取りにやって来た。バレリーは言い訳をしようとするが、ノアは「もう沢山だ・・・L.A.へ戻るかどうかは分からない」、「君は恐くて、"行かないで"と言い出せなかった」と言い残して去った。辛そうな表情のバレリー。
バレリーはノアの船が係留されてた場所へやって来たが、すでに船はなかった。切ない表情で海を見つめ、夕日の中で一人たたずむバレリー。そこにノアがやって来た。船はじきに出発するため、別の場所に移ったと聞いたバレリーは、「だったら手身近に言うわね。」と話を切り出した。「どうしても言っておきたかった・・・あなたは私のタイプじゃない。ライフスタイルも、性格も大嫌い。ずーずーしくて自分勝手で...」と言うバレリーに、ノアは「早く済ませてくれ、忙しいんだっ!」と怒鳴った。バレリーは、「一言だけ...どう言ったらいいのか...この仕事断ってくれない?おねがいっ、行かないで・・・こんな風に分かれたら、二度となるかも!」と、涙声を振り絞ってノアに言った。ノアはバレリーを抱きしめて、バレリーはノアの言う通り恐かったことを認めた。
【バレリー/仕事にて】
ドナからポケベルで連絡を受けたバレリーは、クーパー氏のリモの中からドナに連絡した。既に洋服は選んであるので、それをの所へ届けて欲しいと頼まれた。
は、「自分の担当はドナなのだから、都合を付けてでもドナが来るべきだ。」と少々怒り気味だが、ドナのセンスは認めていた。バレリーは「ドナにはビジネスの経験が浅い」と言い、さらにドナに不利な情報(ドナが搾取工場に関わっている事)を流した。だが、今日持ってきた洋服はその工場のモノではないと告げると、「自分の才能を他人に利用されて黙ってるなんて駄目よ」と言われた。バレリーから、「いつも両親から"誠実が一番"と育てられてきた」と聞いたMrs.バンダークは、「誠実なのと人に騙されて黙ってるのとは別」とアドバイスした。
バレリーは、ドナからの電話で「Mrs.バンダークから感謝の電話をもらった」との報告を受けた。そして、Mrs.バンダークがMrs.ジョーダンという新しいクライアントを紹介してくれることになったが、明日は行けないので、代わりに行って欲しいと頼まれた。仕事のパートナーとして、助け合うのは当然だが、担当を決めてやってる意味がない・・・と返事した(結局は引き受けるのだが)。
【デビッド/金銭問題】
自分がプロデュースするバンドのメンバーを引き連れてピーチピットへやって来たデビッドは、ドナが彼らを「レオ・ナチ・バンド」と触れ回ってるらしいと、そこにいたスティーブから聞いて知った。この1週間一緒にデモ・テープを作っているデビッドは、彼らはレオ・ナチではないと反論するが、スティーブも気に入らないらしかった。
現金の持ち合わせもナシ、複数のクレジット・カードも差し止めされてる状態のデビッドは、デモ・テープ作りのため借りてるスタジオの延長料金(1時間分)すら支払う事ができなかった。録りきれていないない分は、翌日15時に集合して行うことになった。デビッドは、明日までに使えるカードを用意するか、銀行で預金を降ろす必要があった。
ドナは、久しぶりにゆっくり過ごそうと、デビッドのためにディナーを用意した(めかじき、アスパラガス、マッシュポテト)。
ドナが支度をしている間、自分宛の山のようなDMを見つけたデビッドは、引っ越し先が郵便局に分かってしまった・・・とため息をついた。一日で物凄いDMを受取ることになったデビッド。ドナは捨ててもいいだろう?と、その山をごみ箱へすてるが、デビッドは、一番下にあった「即日発行カード」の案内に目を留めた。
全てがごみ箱へ捨てられ、話しがバンドの事になった。デブンを差別主義者だと決めつけるのはどうか・・・と、ドナに話すデビッドだが、二人は気まづい雰囲気となって、デビッドは料理を食べないまま部屋へこもてしまった。
翌朝。ドナが捨てた即日発行カードのDMを探すために、デビッドはごみ箱をあさっていた。ドナにはゴミ袋が破けたと誤魔化した。ドナは、この所デビッドを遠くに感じていると打ち明けるが、デビッドは「今はデブン達のデビューが最優先で、それが終われば元通りになる!」と言って、ドナにキスをした。
ドナが出ていったのを確認したデビッドは、カード会社へ連絡し、同封のカードの使用を願い出た。
2時間も遅刻したメンバー達を急いでスタジオへ入れたデビッドは、新しい支払いカードをスタジオの従業員へ渡した。
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