【挙式前日】
トニーの父マルシェットは、二人の結婚を許したと見せ掛けて、実は、ディランの家に強盗が押し入ったように見せかけ、ディランを殺してしまう計画だった。プロの殺し屋を雇わせたマルシェットは、5時半までにディランからトニーを引き離すようボディ・ガードに命令した。
出かけようと玄関を出たディランとトニーは、待ち受けていた仲間達がバチュラー・パーティを開くからと、二人は別々の車に捕獲されてしまった。殺し屋達は、プラン変更を余儀なくされた。
男性陣はディラン、ブランドン、スティーブ、デビッドの4人。「友よ、この幸せがずっと続くように」と、ディランとは幼稚園以来の付き合いであるスティーブの音頭で乾杯をした4人は(ディランだけアイスティ)、ダイニングに移ってポーカーでひと勝負。本当は指向を凝らした双子のストリッパー・ジョージア&ジョーゼットを呼ぶ予定だったが、ブランドンに却下されてしまったらしい。
夜も更け、ブランドンとディランは二人きりの勝負をしながら話し合った。
ブランドンは、「ディランの気持ちが分からないわけではないが、トニーを悲しませてはいけない」と、ディランとマルシェットの今後について忠告した。それに対し、ディランは「自分は再出発する。マルシェットがどう思おうと関係ない。ブランドンの忠告は有り難く受け取る」と答えた。と同時に勝負がついた。バイクを掛けていたディランは、愛車を手放さずに済んだ。そして、ディランは「一番の親友だ。ありがとう」とブランドンに気持ちを伝え、ブランドンもそれに答えるべくディランの目を見つめた。
一方、女性陣は、スティーブ曰く「コーヒーを飲みながらファッションの話しをしていんだろう・・・可哀想に」とのことだったが、ナント、男性ストリッパー2名を呼んで大賑わいだった。ビーチアパートに集まったのは、ケリー、ドナ、クレア、スーザン。トニーを捕獲したバレリーは、仕事の都合で来られず残念がっていた。ストリップ、シャンパン、そして最高級の葉巻を楽しむ4人だった。
夜も更け、キッチンにはケリーとトニーが残った。
【挙式当日の朝】
トニーは、自分の母がマルシェットと結婚する時、そのまた母・祖母から贈られたという聖書に書かれたメッセージを読み上げた。それはトニーとディランが結婚をマルシェットに伝えに行った日、マルシェットから渡されたもので、トニーが生まれた日に書かれたものだった。
1975年1月10日結婚の儀に必要な「古いモノ」は揃った。「新しいモノ」は、みんなからのブーケ。「借りるモノ」には、ドナが聖体拝領の時に貰ったというパールのネックレスが、そして、お約束のブルーのガーターも贈られた。
愛するトニーへ
この聖書は代々受け継がれて、私、母、祖母がこれを持ってバージンロードを進みました。今度はあなたの番ね。誕生日おめでとう。
ママ
ウェディング・ドレスを着たところにマルシェットが訪ねて来て、「とても綺麗だ。今まで見た中で一番綺麗な花嫁だ」と涙をうるませてトニーに告げた。しかし、二人きりにしてもらったマルシェットは「やはり結婚には賛成できない...惨めな人生を送ることになる」と言い出し、トニーは認めて欲しいと願ったが無理だった。悲しみに暮れるトニーの前にブルーノが登場。「いま大事なのはお嬢さんの幸せ」と言って、式には自分が立ち合うとトニーに告げた。おかげでマルシェットはタクシーで帰る羽目に(笑)。
一報、ディラン宅では、付添人のブランドンが両親からの電報を読み上げていた。「親愛なるディラン。まるで我が子の結婚のように喜んでいます。一日も早く奥さんに会いたいけど、どうか幸せになってね。愛をこめて、ジムとシンディより」。さらに、ブレンダからの電報も届いていた。「ディランへ。あなたが選んだんだから、素敵な人でしょう。でも、これで私とケリーは過去の人になっちゃいましたね。大切な日に出席できず本当に残念ですが、はるか大西洋の彼方から祝福しています。ブレンダ」
ディランはブレンダに結婚の事は伝えることが出来ず、代わりにブランドンがロンドンにいるブレンダに連絡したらしい。
出発直前、ディランはブランドンに「正直言って、こんなに迷いがないのは初めてだ」と言って家を出た。
【挙式】
二人の式は、海が一望できる場所で行われた。トニーと現れたのはブルーノ。楽団による生のウェディング・マーチが始まり、トニーがディランのいる祭壇へやって来た。二人は牧師の言う通り、言葉を交わした。
自宅へ戻って来たディランとトニーは、みんなからの贈り物に驚いた。部屋はロウソクで灯され、すてきな音楽がかけられていた。ディランはトニーを抱き上げて部屋に入ると、一緒に踊ったことはない・・・と言って踊りだした。それはもうロマンティックに。
【そして運命の日】
夫婦となって初めての朝・・・のはずが、夕方4時まで寝ていたディランとトニー。外は大雨になるゾと予告する雷が鳴っていた。二人がベッドで戯れあっていると、タキシードに身を包んだナットさんとスティーブが、豪華な食事をワゴンで運んで来た。それは、新しい門出を祝っての、友人一同からのプレゼントだった。
二人が帰ってすぐ、マルシェットから電話が入った。「自分達は和解する必要がある。もう一度じっくり話しあいたい・・・トニーへのプレゼントもあるので、家に来て欲しい」と言うマルシェットだが、ディランは話すことはないと言って切ろうとした。しかし、トニーからパパも努力しているのだ!と言われ、ディランは6時に行くことになった。
マルシェットが結婚を許す気になったと思ったブルーノは、これでトニーも喜ぶだろうと安心していたが、マルシェットの部屋から出てきたボディ・ガードの男性に、「ディランは頼りになる男だ。立派な跡継ぎになりだろう」と言った返事が、「もしも生きてたらの話しだが!」だったことから、ディランが殺されると気付いてしまった。ブルーノは急いでディランの家に電話をしたが、邪魔が入らないように!と、トニーが受話器を上げっぱなしにしていた。
ディランとトニーは用意された食事を食べようとしたが、猫のトラブルがいない事に気付いた。これから大雨になるため、とても心配するトニー。ディランは表を探してくると言って出かけたが、雨が降りだし、暗くなってもトラブルが戻らず、ディランも見つけられないまま戻ってきた。ディランは、トニーを自分の代わりに家に行かせて、自分はもう一度探してくると提案。トニーはカッパを着て、ディランの車で家へと向った。
その頃、相変わらず電話が繋がらないブルーノは、ピーチピットに電話をして、ブランドンにディランの命が狙われていることを告げると、ブランドンは急いでディランの家へ車を走らせた。5時半・・・時間がない。
相変わらずトラブルを見つけられないディランは、テラスの入口から家に戻った。そこへやって来たブランドンから事情を聞いたディランは、トニーが自分の代わりに家に向っている!!!と言って、急いで車でおいかけた。
トニーの車が通りに出ようとしたところへ、不審な車がやってきて、トニーの車を遮断した。「一体なんなの?」と前後を確認するトニーに、不審な車から銃が12発程度連射された。逃げた車とすれ違いでやってきたディランとブランドン。ディランが運転席の扉を開けると、血を流して死んでいるトニーが転がり落ちてきた。ディランは、トニーを車から降ろして抱きかかえながら、「あいつがトニーを殺したんだ」と何度も叫んで泣いた。
翌日。ディランはブランドンに、自分の代わりにトニーが殺されたことは誰にも言わないで欲しいと告げた。トニーが戻るわけではないし、
さっさと終わらせたい・・・と言って、埋葬する墓地へと向った。
葬儀のあと、ついにディランとマルシェットの決着の時が来た。ディランに銃を渡して「撃つがいい」というマルシェット。トニーがいない世に未練はないという。ディランは泣きながらマルシェットに拳口を向けたが、しばらく睨むと、「俺は親父を失った。あんたは娘を失った。これでおあいこだぜ。殺し合いは終わり」と言って、銃を落としてマルシェットの前から去った。
【さらばLA、そして友よ。】
ディランはL.A.を去ろうとしていた。そのことは、仲間たちも予感していた。ディランが最小限の荷物を積めていると、ふと見た間戸際に、トニーのウェディングドレスを見つけた。それに近づいて頬を寄せてると、猫の声がかすかに聞こえた。テラスのドアを開けると、そこには行方不明だったドラブルが座っていた。ドアを開けて座り込み、トラブルを抱き寄せるディランだが、トラブルも腕からするりと逃げてしまった。悲しみという感情の糸が切れたかのように、ディランは膝を抱いて泣いた。
バイクに荷物を積むディラン。ブランドンがひとり車でやってきた。
【ケリー】
タイムロマンス店でドレス選びに付きあうケリーとドナ。ケリーはドナに、「これからトニーがディランの側に付いてるから安心。幸せになって欲しい」と打ち明けた。式のあと、コリンに前の彼氏が結婚したことについて聞かれたケリーは、「辛いだろうと覚悟していたが、式での二人を見たら、最高のカップルだと祝福できた」と話した。
【ドナ】
トニーのバチュラー・パティも終わり、寝る支度をしているとレイがやって来た。応対したクレアは「迷惑だから来ないで」と告げるが、ドナはレイと話すことにして玄関へ。レイは「欠かさずセラピーに通っているから、自分を締め出して欲しくない」と言うが、ドナは同じ話しを何週間も聞かされてうんざり。大人しく帰れないと追い出すと言うと、レイは反省しているのに!と怒り、「諦めない。どうしても自分の言うことが聞けないなら、ドナの人生をめちゃくちゃにしてやる。」と言って、アパートから出ていった。
ディランの結婚式で、ブーケをキャッチしたのはドナだった。
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