Episode Guide

4-26:ピアノとモデル
(Blind Spot,1994/4/6,1994/10/1,1997/6/15)

ケリー達はアルファオメガで、秋の新年度初めに売るカレンダーを制作し、売上金を全額寄付しようとしていた。しかし、モデルに決定しているのは、クォーターバックのグレン・ウィリアムズ、カパエプシロンのマイク・ライアン、アーティ・ディバンだけだった。アンドレアはディランに相談したら?とアドバイスするが、ディラン曰く「セックスシンボルになるのは堕落の極みだぜ...」と。ドナも機嫌の悪いデビッドには聞けずじまいだった。

アンドレアはブランドンならモデルに協力してくれる!と提案し、ケリーは「ダウニーハウスへの寄付金集めの為のカレンダー作りに、モデルとして協力して欲しい」と、ブランドンを誘ってみた。答えはYES。しかし、撮影に使う衣装がトランクスだと知ると、「教育プロジェクトの代表がピンナップモデルなんて...」と言いだした。ディランも再び「セックスシンボルになるのは堕落の極みだぜ...」と笑いを堪えている。
横にいたスティーブも、寄付の為なら自分も協力すると言いだしたが、既に決まっているカパエプシロン以外から選出したいが、とりあえず代役のBリストには入っている...と言われてしまう。
再び「どう?」と聞かれたブランドンは、結局OKをした。
(続きはこのページの最後)

【スティーブ&ライアン部長】
ドジャーススタジアムまであと10分というところで、スティーブを乗せたブランドンの車が故障してしまった。スティーブは苦労して取った開幕戦のネット裏チケットなのにぃと、オートサービスへ電話するブランドンを急かしていた...が、その公衆電話も故障中だった。
仕方なく、2人は近くのコーヒーハウスに入った。ブランドンが電話をかけている間、スティーブはある事に気がついた。その店の壁にはセクシーな男性の裸体が張られ、来ている客は男性の2連ればかり。そう、そこは男性同性愛者の集うコーヒーハウスだったのだ。そんな周りの様子を伺うスティーブの目に入ったのは、カパエプシロンのライアン部長の姿だった。

クラブハウスへやってきたスティーブは、ライアンに「このクラブに(ゲイが)一人じゃないとわかって嬉しかったんだ」と言われて驚いた。そして、自分がコーヒーハウスにいたのはオートサービスへ電話するためで、一緒にいたブランドンもゲイじゃない!と反論すると、ライアンは一瞬戸惑った顔して「僕のことは誰にも話さないで...」とスティーブに頼んだ。

スティーブは、カフェで見た時には誤解だったと思いたくて言いだせなかったが...と、ブランドンに相談しに来た。スティーブは「ライアンからクラブのメンバーには秘密にするよう言われたが、彼らには知る権利はある!」というが、ブランドンは「スティーブが社交クラブを追い出されそうになった時、ライアンも味方になってくれたのを忘れたのか?それなのに総会を開いてゲイだと発表し、みんなの前で部長を追い出すのかい?」と尋ねた。スティーブはそんなつもりは無いが、仮にライアンが自分を誘惑してきたり、それらしい目線を送ってきたらバラす!と言った。

バスケの試合を終えたブランドンとライアンが、アルファオメガへやってくると、アーティ先輩達が怒りながら出てきて、ライアンに「あんた胸に手をあてて考えてみろ」と言って去っていった。その後から出てきたスティーブは、アーティ先輩に問い詰められて口を滑らせてしまった...と白状した。スティーブはアーティ先輩から、ゲイが好みそうな柄のトランクスを選んだ!などと言われて、からかわれていたのだった。
ライアンはスティーブに、「ありがとよ、将来をぶっつぶしてくれてっ」と言って、行ってしまった。

スティーブがライアンの部屋を訪れると、彼はクラブを去ろうとしていた。「気が動転していて...だけど傷つけるつもりは無かった。自分は部長には恩があるし、どれだけ自分が感謝しているかだけは解かって欲しい!」と謝り、噂はすぐに消え去ると言うスティーブだが、ライアンは、アーティが総会を招集して、ここから自分を追い出す気だと怒鳴ったが、自分の方からクラブを辞めてやるので総会は開かれない!と言って出ていった。

コーヒーハウスでライアンを見つけたスティーブは、「自分にとって始めての男の恋人ゲリ−とは2、3ケ月ほど付き合っていたが、男と付き合っているのを隠そうとし続けた為に、2つの世界を求めている...と失望された」と、ライアンから聞いた。そしてスティーブは、「2人ででかけて誰かに見られるのがとても恐かった」と言うライアンに、自分の場合と丸っきり同じというわけではないが、自分も恋人セレステも傷つけてしまったので、その気持はよくわかる...一生彼女を忘れないと話した。
そして、スティーブはクラブへ戻って欲しいと切り出した。ライアンは敵陣の真只中へ戻れというのかと興奮したが、一度くらい奴達に立ち向かってもいいじゃないか...自分も一緒だ!と説得した。

スティーブの言葉を信じたライアンは、クラブハウスへやってきた。その中ではアーティ先輩が「このクラブが変人の集まりだと言われるのを避けねばならないっ!将来、誰がゲイのいるクラブに入りたがるか。OB達が知ったら...」と、クラブのメンバーに訴え、追放するか否かの投票をしようとしていた。スティーブはもっと討論すべきで、両方の意見を聞くべきだと口を挟み、ライアンがメンバーの前に立って話しはじめた。

「今日ここに来て、初めはみんなに謝ろうと思っていた。私が嘘を付いていたことに対して。何故なら、君たちを信じることが出来なかったからだ。私が今までと同じ人間だとは見ないだろう...君らが選んだ部長だとも。しかし、私はフと気がついたんだ...このクラブの歴史を見れば、私は短気を起こしていただけだと。私は考えてみた。我がクラブで、肌の色の規制に初めて立ち向かったアフリカ系アメリカ人のことを、今はそんな規制はないが、スペイン系の会員はどうだったろう、最初のユダヤ人会員は、最初のアジア人会員は。それでやっと気がついたんだ。問題の原因はこの私がゲイだってことじゃないことだ。問題の原因は人々の未知のものに対する恐怖心なんだ。」
スティーブは、アーティ先輩が「人種偏見を引っ張りだしたが、男とのSEXの問題だ!」と反論すると、「これは人種偏見でもSEXの話しでもなく、問題は兄弟愛...信頼関係なんだ!」とクラブのメンバーに訴え、ライアンがクラブに残り、部長を辞めないという案を動議すると言った。メンバーはしばらく黙ったままだったが、最初に立ち上がったのはキース先輩だった...「俺は支持する」と。次第に拍手して賛成する者が増えた。スティーブはライアンと固く抱き合って、勝利を分かち合った。

【デビッド&ドナ】
モーツァルトのソナタを練習しているデビッドだが、どうしても同じ場所でつまずいてしまう。自分でもどうして駄目なのかわからず、大学で音楽を専攻する者と比べて、自分の力の無さに愕然としていた。ドナはデビッドを励まし、デビッドも大学教授に言われた通り、一度だけレッスンを受けることにした。

レッスンを受けにやってきたデビッドは、レッスン室から聞こえるすばらしいピアノに聞きほれていた。弾いていたのはデビッドをレッスンするホリー・マーロンで、彼女が盲目であることに気付いたのは、しばらく話した後だった。デビッドは、「折角きたのだから、ためしに自分の教え方を見ていって!それで嫌なら断ってもいいわ」とホリーに言われ、ピアノを弾き始めた。
「よく聞いて、怖がらずに、この曲に見を委ねて、無理に弾こうとしないで」とアドバイスしながらデビッドの弾くピアノを聞くホリーは、デビッドが苦手な部分に差しかかると、デビッドの指の上に自分の指を重ね合わせリードした。そして、「指がバラバラになっている。もっとしっかり鍵盤をつかまえて!」と、お手本を見せた。その見事な弾きっぷりに感動したデビッドは、再度チャレンジしてみた。すると今度はきちんと弾けた。ホリーも「音楽のようにあなたを解き放ってくれる何かを想像しながら弾くのよ」と、そのまま引き続けるように言った。

今日のレッスンはビーチアパートで行われた。外から戻ったケリーはアパートのルームメイトだと自己紹介をした。ホリーはもう一人は?とドナに尋ねると、ドナも自己紹介をし、デビッドは「彼女もルームメイトだ」と付け加えた。
ホリーは二人にも今夜行われるピアノのリサイタルに来ないか?と誘い、ケリーも乗り気だったが、ドナが「今晩はカレンダー作りを手伝うと約束してしまったから」と、ケリーを連れて出かけてしまった。

ディーションがドナを迎えにやってきた。今夜はドナとデートの約束だと聞いたデビッドは驚いた。そして、ディショーンから花束を受け取ったドナは、「デビッドは知っているわよね?"ルームメイト"のデビッド」と言って、二人で外へ出た。
外で出た瞬間、ドナとディショーンは笑いだした。これは作戦だったのだ。昼間、ドナにカレンダーのモデルにならないか?と頼まれたディショーンは、モデルになる代わりにドナとデートを...と言ってきたが、ドナは彼がいるのよと断ると、冗談だしモデルも引き受けると言った。一瞬考えたドナはなにか閃いたように、「どうせするなら今夜にしましょう!」と言って、デビッドをギャフンと言わせようとしたのだ。
ディショーンはボウリングをしに行こうと誘ったが、ドナはプロ並の腕前だけどドレスだし...というと、自分のハンデは足の怪我だと言って、二人はドナお勧めのリトルトーキョーにある「OSAKA LANE」へ行くことにした。

リサイタルにやってきたデビッドは、ホリーの楽屋を訪れ、緊張で震えるホリーの手に向かって話し掛け、ホリーを勇気づけた。リサイタルが終わってピーチピットへやってきデビッドは、コーヒーにミルクを入れるホリーの手をとり、「なんて美しい手なんだ。ピアノを弾いている時は特に目が話せない。リサイタルではあなたとのつながりを感じた。僕の為に弾いてくれてるみたいな...」と言った。ホリーは、音楽というものはとてもウットリする体験で、実際には存在しない感情まで齎らす...と、デビッドが恋しているのは自分ではなく、自分の音楽だと告げた。デビッドは普通の人なら諦めるのに立ち向かっている...そんなホリーの勇気を尊敬しているんだ!と反論し、ホリーの目になりたいと言うが、ホリーは全てをわかっていた...昼間紹介されたドナがデビッドのG.F.であることを。ドナがリサイタルには来れないと言った時の声が痛々しかったと話し、ドナを愛しているのかそうでないのか、芸術家ならハッキリしなさいと言った。デビッドは「えぇ、愛しています」と答え、ホリーは優しい言葉は彼女に言ってあげてと微笑んだ。

その頃、カクテルウェイトレスが寿司を出し、DJがHIP HOPをかけているなんて!と、OSAKA LANEに大変した満足したディショーンが、ドナとビーチアパートに戻ってきた(ちなみにドナが勝利)。
ディショーンは、テラスで自分の高校時代の彼女の話をしはじめた。 いつも仲間とバスケの話しばかりして構ってやれなかったが、バスケが飯より好きだから仕方ない。そして、バスケに対する情熱と、彼女に対する情熱が違うことが彼女にはわからなかった...と言った。それを聞いたドナは、デビッドとホリーのことは気にするなってことかと尋ね、ディショーンは自分のことを話しただけさと言うが、ドナはディショーンと友達になれてとても良かったと言って、抱き合った。

【カレンダー撮影】
カレンダーの撮影が始まった。ブレンダやアンドレアも手伝いにきていたが、アンドレアはお腹の子供が欲しがるの!と、ヤキソバをつついて満足気。ディランは青い毛糸の帽子に赤い全身タイツ、その上からキュートはトランクスをはいて、おまけに白いマフラーまでしているブランドンを捕まえて、からかっている。スティーブはトランクス姿にパターを持ち、ディショーンは星条旗で出来た衣装を身に付け、復帰したライアンも参加していた。

結局来なかったアーティ、そしてグレンの穴を埋めようとケリーが周りに目をやると、その先にはディランがいた。ドナもデビッドに目が行った。
撮影が始まり、どんどん進んでいくと、ハートのトランクスを履いたデビッドと、トランクス姿にサーフボードを抱えたディランも登場した。周囲は大笑い。そして撮影は全て終了した。


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