ジョッシュ・リッチランドはこの大学にとって大切な人でした。かつては学内新聞コンドル紙の名編集長として知られ、つい先日彼は学生議会の議長に選出されたばかりでした。明日は彼の初仕事となる日でした。彼のリーダーシップの元、学生議会が招集され、優れたその指導力でこの大学は躍進し、輝ける未来への第一歩を踏み出すはずでした。しかし、不幸にも突然の悲劇によって、その道は閉ざされてしまいました。彼の死はこの大学とこの国の未来にとって大きな損失です。きっと彼は我々の未来を変えていたことでしょう。しかし、彼が残してくれたものは、その未来と同じく価値あるものです。希望と愛、才能と英知...それが彼の遺産です。我々がその遺産を受け継ぐのです。ジョッシュ・リッチランドはあまりにも早く神のみもとに召されました。我々はここで誓いたいと思います。決して彼の抱いていた夢を死なせてはならないと...葬儀の後、みんなが「いい弔辞だった」とブランドンに声をかけていると、リッチランドの姉グロリアがやってきた。グロリアはリッチランドの遺品の整理をするので、ブランドンさえよければ形見分けをしたいと言い、その申し出を受けることにしたブランドンはグロリアの後ろ姿を見ながら、「歩き方がリッチランド先輩にそっくりだ...」とケリーにつぶやいた。
一緒にリッチランドの部屋を片付けることになったブランドン。その始終、ブランドンはグロリアのすすり泣く声を聞いていなければならなかった。N.Y.にいる母には辛すぎる死であること、もともと口数は少なかったが、L.A.に来てからは月に1度電話をくれれば良い方だったこと。そして、なぜこんな事に・・・。ブランドンは誰にもその答えは出せないだろうと答え、形見としてセーターを預かった。
その足でケリーに会いに来たブランドンは、形見としてもらった<ダークブルーをしたVネックのカーディガン>を指差して見せた。ケリーは自分だったらもっと有意義なものをもらうけど...と言い、ブランドンは何をもらっても気味が悪いさと返事した。少し間が開いたあと、ケリーはベッドへ入らないかと誘ったが、ブランドンは「いまはそんな気分ではない。夜の10時に突然やってきたのは、一人になりたくなくて...」というブランドンに、ケリーは「じゃぁ話して」と少し冷たい口調で言った。
ケリーは何を言ってもブランドンを傷つけてしまうようだ...と、アンドレアに相談した。ディランのパパが亡くなった時も酷いことを言ってしまい、それ以来ディランと上手くいかなくなった過去があるので、今回もそうなりそうで恐いのだ。アンドレアは、ブランドンはディランと違うから心配することはないと励ますが、ケリーはブランドンを一番知っているのはアンドレアだ!と返事した。しかしアンドレアは、いまは高校生の頃とは違うし自分達は変わったのだ...「一番大切なのは愛。彼を愛してあげて」と告げた。
議会の初会合へやって来たブランドン。アンドレアもその様子を伺いにやってきた。二人が会場へ入るとアレックスが突然入ってきて言った。リッチランドにはなかったが、ブランドンに対しては反感のあったアレックス。彼は「評議会メンバーの合意を伝えにきた。君の議長就任について大学憲法に基づいて異議を申し立てる。議長職継承の規約が不明確なので無効だ」という。ブランドンは、評議会の重要メンバーであるアレックスとはうまく付き合っていかねば!と、アンドレアにアドバイスされていたが、怒りがマックスに達していた。そして、議会を開会して休会すると宣言して部屋を出ていってしまった。
そんなブランドンを力付けようと、ピーチピットで暗い表情をしている彼に声をかけたのはナットさんだった。ブランドンは、ナットがピーチピットで心臓発作を起こして倒れた時、何を考えていたか?と質問し、ナットは「まだ死ねないと思ったね。天国の神様もそう思ったようだから」と答えた。神様はリッチランドに対してはそう思わなかったのかと疑い、なぜ自分ではなくリッチランドが死んだのか...と興奮気味に言ったが、「それでは自分を追い込むことになる。立ち直るまでには時間がかかるんだ。それにはエネルギー補給をしておかないと!」と、ハンバーガーとシェイクが乗ったトレイを差し出した。すると、「負けましたよ。ママより手強い」と言って、ブランドンはポテトをつまんで口へ入れた。
総長曰く、「大学の法律審議会の見解によると、慎重に行動しないと裁判による決着となるだろう」という。ブランドンは自分は議長ではないと主張するが、この一件が片付くまではブランドンが議長代行となると総長は言い、明らかにブランドンの方が分が悪かった。ブランドンは、みんなが選んだのは自分ではなくてリッチランド...自分は辞職をと言うが、今は黙って様子を見るべきだし、リッチランドもそう望んでいると言われて従った。
ブランドンがベッドの上で事故当時を思い出していると、グロリアが訪ねてきた。彼女はN.Y.へ戻る途中に立ち寄ったと言い、リッチランドが事故に遭う前日に送ってきたという手紙を差し出した。ブランドンはその手紙を預かり、ケリーの前で読んで聞かせた。
母さん。手紙を読み終わったブランドンは、黙って聞いていたケリーに言った。自分はリッチランドが大嫌いだったし、初めて会った時は彼ほどいけ好かない奴はいないと思ったが、本当はそうじゃなかった。それを伝えられなかった...と力を落とすブランドンに、ケリーは「知ってたわ。だから手紙を書いたのよ」と言葉をかけた。ブランドンは悔しかった。選ばれたらどんなことをしようかと話し合っていたのにと...。 そして、ブランドンは決意した。裁判に勝って、議長となりリッチランドの意志を継ぐことを。
明日が投票日なので、とり急ぎ書きます。選挙には勝そうもありません。でも負けても構わない、新しい友達を勝ち取りましたから...真の友達をね。名前はブランドン・ウォルシュ、ミネソタ出身のナイスガイです。本当いい奴なんです。でも正直言ってしまうと、去年はそりゃ仲が悪く、いがみ合ってばかりいたものです。今は同じチームで仲よくやっていますし、もし彼が僕の対立候補なら、僕も彼に投票しますね。 彼は絶対に僕よりいい議長になれる。
母さんは常に言ってましたね。大学という所は、生涯付き合える愛する人を見つける場所だと。この僕は一人見つけました。
それでは、また。愛をこめて...ジョシュアより
【クレア&デビッド】
クレアはコンピュータの授業中、30ドルで買わされた教材用ソフトfor Macintoshでモーフィングの作品を製作していた。その見事な出来栄えを偶然発見したデビッドは、自分達はマスコミクラスで一緒だと声をかけた。フランス文学と物理学が専攻だというクレアはだが、少しでもコニュニケーションに興味があるのなら、自分がやっているキャンパステレビのプロデュースを手伝わないかや?と誘った。
クレアは早速デビッドから借りてきたビデオカメラで、ドナとアパートの壁塗りしている様子を撮影していた。クレアは昼間出会った男の子がどんなにキュートだったかを話し、その彼と一緒にキャンパステレビを手伝いことになったと話した。それがデビッドだと全く知らないドナは、カメラに向かって「ドナでぇす」とご挨拶する始末。
しかし、クレアに誘われてスタジオへやってきたドナは、クレアが指差した彼がデビッドであることに驚き、「彼なら良く知ってるの。プレゼントするわ!」と言い残してスタジオを出ていってしまった。クレアはドナとデビッドが付き合っていたことを知り、自分はドナのルームメイトだと話したが、そこがデビッドが住んでいた部屋だったと聞いて複雑な心境。
カパエプシロン新入生歓迎パーティの夜、支度をしているドナにクレアは謝った。ドナはクレアが自分とデビッドとのことを知るはずないのだから...と、気にしなくてもよいと返事をした。支度に手間取っている間、クレアな二人の破局に理由をケリーに質問した。ケリーは話していいものか...と言いつつも、「ドナはヴァージンで、デビッドは童貞ではないの」と喋った。
ドナ達がパーティへ出かけている間、デビッドがクレアを訪ねてきた。
【ドナ&グリフィン】
クリーニングに出す大量の洋服を自宅へ運んできたドナ。フェリースは「ドナは大金持ちと結婚しないと今のような暮らしができないわよ!」と、ドナに会わせたい男性がいると切り出した。彼はカリフォルニア大の3年生でハンサム、頭がよくて名門の子息だという。新学期でデートどころじゃない!とドナは断るが、月曜日に母親と一緒に来ると言われてしまった。
カパエプシロンの新入生歓迎パーティの準備を手伝いに来たドナは、クレアの相手がデビッドだった!とケリーに愚痴っていたが、木の傍にいる学生が気になって仕方なかった。彼の名は<グリフィン・ストーン>。昨年は海外にいた3年生だというグリフィンに「ゴージャスだわ」の言葉しか出てこないドナ。
パーティ当日、ドナが「グリフィンも来てる〜」と興奮していると、グリフィンはまずケリーに声をかけ、次にドナに初めての挨拶をしてダンスに誘った。もちろんドナはOKして踊っていたが、根掘り葉掘りドナについて聞いてくるグリフィンに怒ってフロアを離れようとした。下心があるなら他の女性に!と言うドナだが、グリフィンはドナを知りたいだけだと引き止め、ドナはお互いが敬虔なカソリックであると知ると、機嫌を直して踊りを続けた。
フェリースに言われた男性と会う約束の土曜日、ドナはその母ナネットに挨拶をした。息子直に来るだろうと言っている所へ、玄関のベルが鳴ってドナが彼を迎える為にドアを開けると、そこに立っていたのはグリフィンだった。彼はドナが誰だか知っていて誘っていたらしく、驚いたドナはすっかり機嫌が良くなった。早速、二人はビーチへ出かけることにした。
ビーチからアパートへ戻ったドナは、リビングのソファで寄り添いながらビデオの構想を練っているクレアとデビッドを間の前にした(クレアとデビッドはプラトニックな付き合いを続けることにし)。そして「いろいろ考えてみたんだけど、私もビデオを手伝うわ。私達別れたけど、まだ友達でしょ」と言って、二人を驚かせた。さらに、そこに戻ってきたグリフィンを紹介して驚かせ、二人はドナの部屋で着替えようと言ってリビングを後にした。
【新入生歓迎パーティにて】
カパエプシロンのクラブハウスでは新入生歓迎パーティが開かれていた。スティーブは気が紛れるゾ&有名人が来るとはくが付くから!と、ブランドンもパーティへ誘っていた。ブランドンを見つけたケリーは、「自分は慰める事も勇気付けることもできないと思うが、頼りにされなくても傍にいたい。」と気持ちを打ち明け、ブランドンは「それこそ最高のなぐさめだよ」とキスをした。
新入生の指導担当であるスティーブは、新入生に楽しむようにとアルコールをジャンジャン振る舞っていた。ところが、マンツから大学の警備員が見回りにやってきたと聞いて大慌て。キャンパス内はアルコール禁止なのだ。どう頑張っても短時間のうちにアルコールを隠すことは不可能...そんなスティーブの目に入ったのはブランドンだった。二人は警備員がドアを開けるよりも前に外へ出て応対することにした。ハウスの外には無数のアルコールの瓶が転がっているので中も見たいという警備員に対し、ブランドンは芝居を始めた。...自分は学生議会の議長で、社交クラブではアルコールを出していないのに、新入生の中にアルコールを持ち込んだ奴がいるとスティーブから連絡を受けて、パーティを中止させるために来た...という。警備員は時間も遅いし、みんなを無事に送り届けることを条件にチェックは免れた。
お偉いさんが友達ってのは悪くないなと大はしゃぎするスティーブだが、ブランドンは二度と御免だった。
この件は総長にも伝わっており、ブランドンは越権行為だったかと心配するが、総長は今後はスティーブがハメをはずさないよう注意して欲しいと言われただけだった。
【バレリー&ディラン】
今後ウォルシュ家の人間とは関わりたくない...と、ディランはバレリーを追い返そうとしたが、あの夜を忘れられずに家の中へ入れた。
バレリーはこのインチキ臭いL.A.の中で、ディランだけが自分を分かってくれそうな気がすると言った。ディランは話の中でバレリーの父は死んだと知り、バスルームの中で銃で自殺をしたことを聞かされた。すると、自分の父も車に爆弾を仕掛けれて死んだのだと打ち明けた。
少し間があって、バレリーは嘘をついていたことを謝り、自分は楽しみたかっただけだと言った。
再び二人はベッドを共にした。ディランは自分達の関係は誰にも話してはいけないとバレリーに言い、それはバレリーもわかっていた。もちろん恋人気分でいるのはお門違いだし、昼間にデートするのも飛んでもない事だ!と言うと、バレリーはこの街で恋人を探すつもりは全くないし、スティーブはただの知り合いだと言った。スティーブは昔からの付き合いなので、火傷はさせたくない...知り合いのままでいるようにと、ディランはバレリーに念を押した。
翌日ピーチピットで食事をしているバレリーとスティーブの前に、ディランコーヒーを飲みにやってきた。バレリーはディランとは初対面であると言い、パーティへ行けなかった埋め合わせに"ミニチュア・ゴルフ"へ行こうとスティーブを誘った。ミニチュア・ゴルフとは、夕べディランとのベッドの中で、二人の会話に出てきたデートの例えだった。スティーブを挟んでカウンターで聞いているディランは、溜息を一つついてコーヒーをすすった。