Episode Guide

5-06:強奪と拷問
(Homecoming,1994/10/12,1995/5/20,1997/9/28)

【ホームカミング】
ケリーとドナは隣の南カリフォルニア大の売店でロゴ入りグッズを買い込み、スティーブとグリフィンの元へと戻った。「いくらホームカミングだからって、やり過ぎじゃない?」と心配するケリーだが、「南カリフォルニア大学のマスコット(熊の置物)を盗むということは、我が大学の伝統を守ることだ!」とスティーブ。明日のフットボールの試合を目前に、隣の大学であるSCUのマスコットを盗みだすという計画は、今から30年前、スティーブの父ラッシュが先頭に立って同じ計画を実行していたのだった。そして時を越えた今、その伝統を引く継ぐのだという。しかし、そのマスコットの置いてあるホールには、試合の終わる日まで24時間体勢で学生警備員が配置されており、マスコットである熊の置物は相当大きく、とても重そうだった。

どうやって警備員の目を盗んで高さ5mで重さ100kgの熊を奪うか...4人にいい案が浮かばなかった。しかし、そこへやってきたバレリーから「バッファロー大学で同じような事をやったけれど、その時はとても面白い方法を使ってね。」と聞いて、4人はその作戦でいくことに決めた。ただし、その作戦はバレリー曰く「とても卑劣」らしい。

翌日、実行舞台はカパエプシロンのクラブハウスに集まった。ケリーはお手製ブラウニー、バレリーは変装用のTシャツ、スティーブはハイテクな軍用双眼鏡を持参した(カードで購入したらしい)。グリフィンはお手製の秘密兵器を手にしながら、来ないドナを心配するが、いる人間だけで実行しよう!とのスティーブの掛け声に、みんなSCUへの潜入を開始した。
SCUのロゴ入りTシャツで変装したケリーとバレリーは、腰に隠しマイクを取り付けて熊の置かれているホールへと向かった。先に潜入していたマンツは、さも関係者のうようにホールの埃はらいをしていた。二人は、見張りの学生を捕まえて、持参したブラウニーを差し入れだと入って声をかけた。口から出任せで会話を合わせるケリーとバレリーだったが、何とかブラウニーを食べさせることに成功した二人は、「その時」が来るのを待っていた。そう、ブラウニーの中には下剤が含まれていたのだった。
彼らはついに我慢できなくなって、熊番をケリーとバレリーに頼んでトイレへ直行! マンツがグリフィンお手製の木製ドアロックをはめ、無線連絡を受けたスティーブとグリフィンらも駆け付けて、その隙にに台ごと熊を頂いていった...作戦大成功!

「ライバル校を倒せ ホームカミング祭」と書かれた垂れ幕を振りながら盛り上がる学生達を目の前に、スティーブは盗みだしてきた熊の除幕を行われた。「卒業生のみなさんに素敵な贈り物を用意しました」というスティーブと、「我等が宿命のライバル登場でぇす」というケリーの掛け声でその幕が剥がされた。
盛り上がっている中、ケリーはバレリーに「確かに私はあなたに辛くあたってたわ。でも夕べ考えたんだ。そろそろ、アンタとも仲良くなりたいなって」と言い、バレリーも喜んだ(ケリーはバレリーがマリファナをやっていることや、ディランにちょっかい出していることを知っていたのだ)。

【民主主義社会の犠牲】
リッチランドとは友人だったケイ・ウィットニーが、ベン・ラーナーと一緒にブランドンのオフィスへやって来た。国際人権組織の共同議長である彼らは、「大学訪問中のコンテロ大統領は殺人鬼である!」と言いだした。コンテロ氏とアーノルド総長とは古い付き合いで、クレアも大変慕っていた。コンテロ氏はクレアの両親のキューピッド役でもあり、CU付属病院で肝臓癌の手術を受ける為に大学を訪問中だった。
昨年、セラネシア市民が鞭打ちの刑を受けるなどの拷問450件が行われ、それをコンテロ大統領が命令したと言う。そんな殺人鬼を歓迎して欲しくないと主張するが、「大統領は総長の友人として訪れているだけで、政治のために来たわけではない」とブランドンは反論した。しかし、ケイとベンは滞在阻止運動をすると宣言し、事件についての証拠も掴んでいると言った。ブランドンは「それが事実だかわからない上、学生議長としてアーノルド邸で大統領に会った限りではそんな悪い人には見えなかった」と答えた。自分達の主張が受け入れられないとわかると、ベンは「アレックスが言っていた通り、ブランドンは総長のごますり男なんだ!」と言って、部屋を出ていってしまった。

ブランドンはクレアを車に乗せてアーノルド邸へ向かう車中、コンテロ大統領の拷問事件について聞いてみた。クレアは「セラネシアにいた頃、パパがおじ様に協力して民主主義国家に建て直すまでの様子を見て知っているが、そんな事件はなかったし、パパが人殺しに仲良くすると思う?」と、事実であるはずないと答えた。

コンテロ大統領歓迎パーティの途中、アーノルド邸の外には学生12、3名によるデモ隊が来ていた。彼らは「帰れ、モンテロ人殺し」と繰り返していた。その様子を窓から見つめていたブランドンとクレアは、大学のカフェでケイとベンに遭遇した。ベンは一冊のレポートを差し出し、これを読めば真実であることが一目瞭然だと言うが、それはただの言い掛りだとクレアが反論...外で待っているとブランドンに言い残してカフェを後にした。両方にいい顔をしようとしても駄目だと言われたブランドンは、レポートは読むが裏付ける証拠が欲しいと注文した。

ブランドンは図書館で会ったアンドレア国際人権組織について尋ねると、アンドレアは素晴らしい組織だと答えた。その組織は、 「調査報告によると、警察官の行う拷問方法は極めて残虐である。鞭や棒による百叩き、煙草の火による方法、体の一部に電流を流した上に....」と、セラネシア国についてこのように批判していると聞いたアンドレアは、自分なら報告書の方を信じると言った。なぜなら、嘘を言った所で組織に対する利益は何もないのだから...。

コンテロ氏はアーノルド邸のキッチンで食事を作りながら、クレアが死んだお母さんにだんだん似てきているという話しをしていた。そこにやってきたブランドンは、「何事もあまり気にしないように心掛けている」というコンテロ氏に、昨晩のデモの事も気にしていないようですねと触れてみた。すると、「時に鈍感であることも必要なのだ。諺にもあるように、批判に耐える気力がなければ手を出すな!だ」と答え、出来上がった食事を3人で食べようと言った。

ケイが証人を連れてブランドンを訪ねてきた。モン・ヨット氏はCUの庭師をしているセラネシアの人で、新聞記者をしている彼のお兄さんが政府に対する批判をしたところ、大統領に煙たがられたという。その後、モン・ヨット氏も連行されて大統領暗殺を企てたという嘘の証言を強いられ、それを拒むと拷問が始まったというのだ。「拷問、毎日続いたよ。出来ないと言うと叩かれた。何度も、何度もね。1週間後、私死ぬとこだったよ。仕方なく、私兄さんを裏切った。次の日、兄さん殺された...頭打たれて。」と言って、体に受けた傷をブランドンに見せてやった。信じられない!という表情のブランドン。しかし、体中に受けた傷を見て「僕にどうしろと...」と一言いった。

国際人権組織は民事訴訟を起こし、ブランドンがコンテロ氏に連邦召喚状を手渡すことになってしまった。それは、ブランドンならコンテロ氏に近づくことができるからだ。手渡しに行くまえ、ブランドンはジムとシンディに相談した。

Jim:
これはキャンパス内で起きた単なる揉め事とはわけが違うんだ。相手は一国の大統領なんだゾ
Bran.:
被害者の傷跡を見たからには無視できないんだ
Cyndy:
この問題には関わるのは、もう止めてちょうだい。危険すぎるもの!
Bran.:
でも、ここで何もしないと、僕は一生総長のごますり男というレッテルを貼られてしまうんだ
Cyndy:
馬鹿げているわ...まだ学生なのに。
Bran.:
天安門広場で戦車で戦ったのは学生だったし、ベルリンの壁を崩したのだって学生だろ?
いくら説得しても無駄のようだと誘ったジムとシンディは、それ以上なにも言わなかった。
ブランドンは召喚状を渡す前に、クレアにその事を話すためにビーチハウスに寄った。「辞職に追い込もうなんて、何か憾みでもあるわけ?しかも、おじ様は癌で体が弱っているよの」と、ブランドンを責めるクレアは「もしやったら、二度と口を聞かない」とブランドンに宣言した。
アーノルド邸に着いたブランドン。総長はクレアの電話で事の次第を知っていた。
Arno.:
クレアを巻き込んで欲しくなかった。正直言って、君には失望したよ
Bran.:
殺人を侵すような人と友好を保つももどうでしょう?
Arno.:
セラネシアの経済改革を進める上で大統領が私に出した命令は、人々の生活をを向上させろというものだった。文字通り、何万人もの人々のな。
Bran.:
犠牲も厭わず、何万人もの人々を殺したんです????
Arno.:
自問自答したよ。でも、多くを救うためには多少の犠牲はやむを得んのだ。
そこへコンテロ氏がやってきた。「アーノルド氏が言いたいことは、民主主義社会にも代価が必要ということだ」というコンテロ氏に、ブランドンが「果たしてそれが民主主義といえるのでしょうか」と問い掛けると、「いつか自国も老える時がくる。その時こそ、自分がした行いに対する審判が下されるだろう。」と言って、ブランドンが持ってきた召喚状を自ら受け取った。コンテロ氏は謝るブランドンに、「君は責任を果したまでだ...この私がしたように。いずれ、君にも犠牲という言葉が理解できる。」と、見つめて言った。

翌朝、ウォルシュ家のキッチンに置かれたテレビから、コンテロ大統領が健康上の理由で大統領を辞任を表明したというニュースが流れていた。「召喚状の件は表ざたにならないよう必死になっているようだ。召喚状を渡した時、裁判が始まる頃には命はないだろうと悟っているみたいだった」と、ブランドンはジムに呟いた。
大学へやってきたブランドンは、除幕式でクレアにバッタリ遭遇。「パパとおじ様の友情はまだ続いているようだから、私もアンタのこと許すことにする」というクレアだが、ブランドンは「僕は謝る気はないね」と。しかし、「政治のヒビ割れを友情に持ち込むな...とパパに言われた」というクレアに賛成して、二人の友情も復活した。

周りが盛り上がる中、庭師のモン・ヨット氏を見つけたブランドンは声をかけた。彼は、「やっと解放された気分ね。あんたは勇敢な人ね、兄さんと同じ。ありがとう。心からありがとう。」と礼を言って、去っていった。

【アンドレア】
ハンナをお昼寝させたアンドレアは、自分達もお昼寝しようとに甘えるが「今は勉強中だから一人にしてくれないか」と言われ、お店で女性にとる態度と自分に対する態度は違うのね!と嫌味たらしく言ってみせた。ジェシーは「バーテンは女性客のご機嫌取りが大事なんだ」と説明するが、アンドレアは「不潔よ...どうして自分達が二人きりで過ごせる時間に勉強するのだ!」と言ってしまい、ジェシーもつい、勉強するのが自分の仕事だと怒鳴ってしまうが、二人とも疲れてイラついているだけだ...と冷静をとり戻した。
そんな折り、アンドレアはコインラインドリーでUCLAの医学生ピーターと知り合った。両替機が故障していたため、アンドレアの方からピーターに両替できないかと声をかけたのだ。ピーターはアンドレアをハンナのベビーシッターだと思い込み、それに気付いたアンドレアも事実を話さないまま会話をはずませていた。
アンドレアが家へ戻ってくると、仕事へ出かけたはずのジェシーがささやかなパーティの支度をして待っていた。「無理を言って休みをもらったんだ...君に色目を使って、こうするために...」と、ジェシーはアンドレアの首筋に口付けた。夜をゆっくり過ごそうと、ジェシーはハンナを寝かしに部屋へ連れていった。その間に、アンドレアはピーターからもらった電話番号の書かれた紙をごみ箱へと捨てた。

【ドナ&レイ】
大学の地震対策工事も済み、大学へ来ることもなくなったレイはドナにお別れを言いに来た。さみしくなる...というドナに、レイは電話番号を教えてくれるよう言うが、グリフィンというボーイフレンドがいる身では簡単に教えるわけにはいかない...と、その申し出を断った。しかし、本当にグリフィンが好きなのかわからないドナ。レイも、それなら自分にもチャンスがあるはず!と、ドナはレイに電話番号を教えることにした。
早速レイから連絡のあったドナは、明日の昼過ぎにデートすること約束をした。レイのドライビング・ミージックを気に入ったドナは、それがレイの曲だと知って驚いた。レイはそのテープをしまうよう頼み、ドナはダッシュボードを開けた。すると、そこには鋭いナイフが裸のまま置かれていた。途端に不安になったドナは、これから何処へ行くのかと尋ねると、レイは驚かせたいから目を閉じるよう命令した。ドナの前には、昨日ケリーが言ったこと蘇っていた...その人が殺人鬼ってこともある得るのよ! ドナにしては軽はずみだというケリーが言った言葉だった。しかし、目を開けたドナの前にあったものは<Pruit Family Pumpkins>と書かれた看板だった。そこはレイのマリーおばさんが毎年やっているという、ハロウィンかぼちゃのお店だった。例のナイフはかぼちゃを切るためのものだと知って、ドナは拍子抜けした。
かぼちゃをくり抜く作業を手伝いをするドナだが、今日はあまりゆっくりしていられないの...と、レイに打ち明けるが、山羊の赤ちゃんの生まれる瞬間を見ないか?と言われ、ドナは「ちょっとくらい遅れてもいいかなぁ」と、しばらく留まることにした。
すっかり日も暮れ、ドナは生まれたばかりの子山羊を抱いていた。ここに残ったことを後悔しているかい?というレイの問いに、ドナは「いいえ、ちっとも」と答え、二人はキスを交わした。

きっと怒ってるだろう...と言いながら、二人はビーチアパートに戻ってきたが、レイが「もう電話はしない」と言い出してドナは驚いた。が、「君からかけてくれるのを待つ」と言いながら、レイは胸ポケットから電話番号の書かれた紙を取り出した。

しかし、熊の除幕式にやってきたドナは、「さみしかった」と言うグリフィンに、「私も淋しかったわ」とキスをした。

【バレリー、ディラン】
明日の同じ時間に来てもいいかと聞くバレリーに、ディランは愛を求めるなと言ったばずだし、自分に関わっても得にはならないと答えた。破産して一千もないディラン...バレリーは破産したことが恥ずかしいことなのかと尋ねるが、関係ないと言われたバレリーは誰にも言わないと再度約束をした。
SCU侵入作戦も無事終了し、一旦帰宅したバレリーはシンディの車を借りて、約束通りディランの家を訪ねた。しかし、ディランは家に入れてくれようとしなかった。「君も馬鹿じゃないんだから、察してくれよ」と言われて部屋の中へ目をやると、下着姿の気だるそうな女性がソファに座っていた。実はディランも彼女が誰だかわからないまま、付き合っていたのだった。自分達は恋人同士ではないとディランに言われたバレリーは、うっすらと涙を浮かべながら、怒って帰ってしまった。


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