【ブランドン、ディラン】
ブランドンは、ディランとツーリングの旅に出ることになった。ブランドンは、ドナ達と毎年恒例のスキー旅行か、ケリーと二人でパームスプリングスへ行く予定だったが、ドナはドナがP.P.A.D.(ピーチピット深夜クラブ)の開店準備で大忙し、ケリーは周囲に自分の水着姿を見せたくないと言い出して、二つとも中止に。ディランは運転免許証の使用が明後日で切れるからと、出発は1時間後とブランドンに告げた。
今夜はモーテルに宿泊するが、あとはディランとキャンプを張るというブランドンは、ガレージから使われていないブレンダの寝袋も拝借した。シンディは「せめて車での旅にして欲しい」と言い、ジムは「ディランは事故のあとだから」と心配するが、ディランは事故からは立ち直っているし、これは自分たちの友情を取り戻すための旅行だから...と言った。
仕度をし終えたところにディランがやってきた。ブランドンは1階へ降りて行き、ウォルシュ家に来ていたケリーも二人を見送るために声をかけた。それに気付いたディランは階段上のケリーを見上げ、ケリーもディランを見つめていた。
ディランが調達してきたブランドン用のバイクはDUCATIの916(ボディを見る?)。二人はL.A.を出発し、今夜の宿泊場所であるモーテルに到着した。夕食をとることになり、ブランドンはマッシュルームとチキンのスープ、ガーリック・トースト、ディランはアップル・パイとコーヒーを注文した。料理が出てくるまでの間、ブランドンは旅についての面白い話をしようと、教育プロジェクトでワシントンへ行った時(詳細はこちら)、あのルシンダ・ニコルソンが...と口にした途端、ディランはルシンダの名前を聞くと映画資金目当てに誘惑されたことや(詳細はこちら)、ブランドンにケリーを取られたこと(詳細はこちら)を思い出してしまうと言って怒りだし、二人は険悪ムードになってしまった。
それは部屋へ戻ってからも続いた。ブランドンはケリーと電話していたが、ディランがシャワールームから出てくると電話を切った。ディランは、自分に遠慮することなくケリーと電話をすればいい!と言い、ブランドンはディランの機嫌が悪いのは、出発直前に自宅でケリーに会ったからだと言った。「俺の前でケリーの話は二度とするな!こんな旅は中止だ」と、ディランは明朝L.A.へ引き返すと言いだし、ブランドンは自分だけがL.A.に戻ると言った。
翌朝、ディランは「このまま旅を続けて友情を深めようと思うことにした」とブランドンに告げ、ブランドンも旅を続けることにした。しばらく走った二人は、用足しのためにバイクから降りた。崖下に向かって放尿していると、背後から「そこは我らの居留地で、その木の下には先祖が眠っている」と声をかけられ、振り返るとそこにはインディアン種族の保安官が立っていた。免許証を取り上げられたディランは、こうなったのはブランドンのせいだと言い出して、二人はお互い激しく言い合った。それを離れた所から見ていた保安官は、不法侵入と聖地を冒涜した罪で逮捕してもいいが、別の方法で償いをしてもうと言い出した。
二人は広場へ連れて来られた。保安官は「2フィートの、縁はきっかり90度、底は真っ平らな穴」を掘るようにと、ディランにシャベルを渡し、ブランドンにはメジャーを渡して監督役を命じた。
しばらくして保安官が戻ってきた。やってられない!と、ディランは穴を掘るのを止めてしまった。続きを掘るように命じられたブランドンは、今回の事は全て自分が悪いから自分が掘ると言い出すが、ディランは「自分が助けた」とブランドンに自慢されるのはご免だと返し、保安官が来たらディランに交代するので、それまでは自分が掘る事にすると告げて掘り始めた。
保安官が再び戻ってくると、ブランドンはシャベルで、ディランもコンクリートの破片で穴を掘っていた。二人で掘っている姿を見た保安官は、穴を掘るのはもうOKだと告げ、良かったら一晩泊まっていかないかと誘った。保安官の仲間が大勢車でやって来て、木の柱にテントを張り、二人が掘った穴の中央に火を興しだした。スウェット・ロッジ;この神聖な儀式の意味は人によって違うが、テントには神がお見えになり、その肉体が汗の滴になると信じているという。
みんな裸になり、スウェット・ロッジの中へ入った。ブランドンとディランは熱さにヘトヘト。ご先祖様に感謝のお祈りを...と言われたディランは、「ご先祖様、この何ヶ月間見守ってくれてたかはわかりませんが、今は見守ってくれていますよね。そうでなければココにいませんから」、ブランドンは「ご先祖様、ディランと一緒にココに居られて、同じ体験をした事に感謝します。一生忘れません。」と言った。
翌朝、二人はスウェット・ロッジでの体験などに語り合った。
【ケリー】
ケリーは、ブランドンがディランとツーリングの旅に出ている間、異常心理学のパトリック・フィンレイ講師のセミナーに参加することになっていた。フィンレイ講師とは、現代心理学に新しい理論(新・進化論)を打ち立てようとしている講師で、本当ならば200ドルするセミバーだが、試験でAを取得した学生は無料ご招待となるという。ケリーがセミナーに参加すると知ったバレリーは、自分も参加する事にしたとケリーに告げた。ケリーはバレリーが異常心理学でAを取ったことに驚くが、「私の家庭環境ならAプラスが取れたのに」というバレリー。
セミナー会場にはセーラも来ていた。ケリーからセーラを紹介したバレリーは、彼女が異常心理学の試験を採点もしていると聞くと、自分は病気がちで授業にはなかなか出席できないとデタラメを言い、ケリーは呆れながらそれを聞いていた。
ダン・マクグラスの進行で、車イスに乗ったフィンレイ講師が登場した。講師の話に熱心に聞き入りケリーとは裏腹に、バレリーは退屈で仕方なく、グループ討論を始める前に会場を抜け出してしまった。バレリーの否定的な言動に、「人生を変えたいのなら、否定的な考え方をする人とは付き合わない方がいい」と、バレリーから悪い影響を受けないように忠告した。新・進化論に否定的な者は、部外者と呼ばれる。
グループ討論会が始まった。火事以来、どのように人生が変わったかを訊ねられて答えるケリーだが、「分析する必要はない」と講師に言われ、「今の人生に満足しているか」と質問された。難しい質問だと思うケリーだが、講師は簡単な質問なので簡単に答えるよう、恐怖心を捨てたいなら正直に打ち明けろと忠告し、ケリーは言った。「ドアから炎が迫ってきた時、聞こえてきたのは心の叫びだけだった。"神様おねがい、顔をやかないで。連れて行くならアリソンだけにして。" アリソンが命を救ってくれたのに...そして彼女は重症を負った。こんな人生を変えたいけれど、どうすればいいか。」
ケリーはセミナーのお礼を言うために、フィンレイ講師の研究室へやって来た。もともと名前を覚えるのは得意でないという講師だが、ケリーの名前は覚えていた。講師は自分の理想とはほど遠い自分だと言うケリーに、「進化の過程」にいるのだと言い、ケリーなら自分の人生を変えられるが、これからのケリーを受け入れてくれる人は少ないだろう...と忠告した。ケリーは、理想の自分になれるなら構わないと答えた。
【スティーブ】
ナットさんはじめ、デビッド、クレア、ドナはP.P.A.D.の開店準備で大忙し。デビッド達はクラブ経営に関してはド素人、その上、それを指揮するのが自分をクラブ経営から手を引かせた父ラッシュ。自分がのけ者にされているのが面白くないスティーブは、もともと自分抜きにP.P.A.D.の企画が進められるわけがない!と、マンツ相手に愚痴っていた。しかし、準備が順調に進んでいるとナットさんから聞かされて、こっそりP.P.A.D.をのぞき見に行き、ラッシュを中心に和気あいあいと話しているナットさん達を見てショックを受けた。
P.P.A.D.開店の夜、社交クラブのメンバーは全員クラブへ行ってしまった。マンツはスティーブに遠慮して残っていたが、スティーブから行ってもいいと言われて、喜び勇んで飛び出して行った。断固として行かない決意のスティーブ。そこへ父ラッシュがやって来た。ラッシュは、裁判の時に条件をのまなければ間違いなく刑務所行きだった...これは、仕方ない措置だったと告げた。そして、今ではクラブ経営の成功なんてどうでもいいと言って、今夜、裁判官が来てIDカードをチェックするとは思えないからと、スティーブをP.P.A.D.へ誘った。スティーブもラッシュの気持ちを受け入れて、一緒に行くことにした。
【ドナ】
P.P.A.D.の開店を明日に控えて、レイは「やっぱりライブをやるには早すぎる」と言い出した。ドナは、そんな事を言っていたらいつまでたっても恐怖症は治らない!と、レイがステージに集中できるような策を考えると励ますが、レイは否定的な事ばかりを並べてばかり。
レイをどのようにリラックスさせればいいか。ドナは、デビッドがライブをやった時のマネジャー「スティーブ」に相談する事にした。しかし、スティーブは、クラブは自分のアイデアなのに、今では父親のものになってしまった。なのに、自分の所へ相談に来なんて無神経だ!とドナに怒鳴った。しかし、スティーブは「アメフットの名ヘッドコーチ "ビンス・ロンバルディ" がやったように、奮い立たせればいい!」と、帰ろうとするドナにアドバイスした。
ライブ直前、スティーブに言われたようにアメフット試合のビデオを見て研究したドナは、レイに「ライブが始まったら、あなたはレイ・プルートではなく、ポール・ホーニング(アメフット選手)だ!。大勢の敵(観客)が襲うけど大丈夫...あなたは最高で、このゲームに何もかもこのライブにかけている。勝つことが全てではない...力を出し切る事。いい試合をしてきてね!」と喝を入れた。その気になったレイは、見事なステージを披露した。レイがステージ恐怖症らしいと気づいたデビッド曰く、もともとライブ目当ての客なんていないだろうとの事だったが、ライブはおおいに盛り上がった。
しかし、アメフットの名ヘッドコーチ "ビンス・ロンバルディ"の話は、スティーブの作り話だった。それを知ったドナは、嘘でも構わない!と、レイのステージ(演奏した曲はこちら)を見守った。
【バレリー】
ステージで歌うレイの姿を熱い視線で見つめるのは、ドナだけではなかった。バレリーも、レイに興味のあるような目で見つめていた。
【ディラン】
旅から戻ったディランは、「800万ドルの行方を掴んだ」というジョンズの留守電メッセージを聞いた。すぐにメキシコへ来るように言われたディランだが、それは誰にも内緒でなければならなかった。