その夜、ブランドンが今朝のことをケリーに謝って、二人は仲直りのキスをした。ケリーの体はすっかり大丈夫だとのことで、二人はそのままベッドに倒れ込んだが、急にブランドンの動作が止ってしまった。どうしても銃撃の事を忘れることができないと言うブランドンに、ケリーは「銃撃」という言い方が新聞記者のよう・・・自分は一日も早く悪夢を忘れたいのに!と言った。ブランドンは、リビングへ降りて行ってしまった。
リビングで朝を迎えたブランドンは、深夜のテレフォン・ショッピングで紹介されていた乾燥機を頼んでおいたと、ケリーに言った。ケリーが前から欲しかった物らしい。ブランドンは、夕べの埋め合わせに、今夜デートをしようと提案。映画&食事をすることにした。そこへ、ウッズ刑事から電話がかかってきた。ケリーはすぐに気って欲しいと言うが、それは出来ないと断るブランドン。またもやケリーの機嫌が悪くなってしまった。
映画を見終わったケリーとブランドンは、映画館に入ってきたバレリーとノアとすれ違い、バレリーがケリーに声をかけ、ケリーも振り返って「ハァイ」と返事をした。その弾みで男性にぶつかり、倒れ込んでしまったケリー。その男性はケリーに手を貸すが、ブランドンはケリーが襲われた時の事を思い出し、「彼女に何をしようとしたんだ!」とその男性に食ってかかった。ノアが間に入り、ケリーがブランドンを落ち着かせたが、ブランドンは気が動転していて言葉が出なかった。
翌日、ビバリー・ビートのオフィスを訪ねたノアは、ブランドンに「友達として言わせてもらうなら、ケリーと良く話しあった方がいい」と忠告するが、ブランドンの態度は酷かった。「友達のつもりかい?デビッドもケリーも救ったが、いい加減、英雄気取りは止めて、
邪魔だから帰ってくれ」 そんなブランドンに、ノアはハッキリと言った。「ケリーが不安そうにしていないから怒ってるのか? 彼女は不安に思っているさ・・・君をっ」と指さして言って、オフィスを出ていった。
そこへ、ウッズ刑事から、犯人が捕まったという連絡が入った。犯人の顔を見ることを断られたブランドンだが、「愛する人を撃たれた立場なら、ウッズ刑事も犯人に会いたいと思うだろう?」と言って、犯人が収容されている病院へ向った。
しかし、ブランドンがベッドの上で見た犯人は、自分が証言した犯人とは別人だった。ブランドンが見たのは運転手だったのだ。今、ベッドの上にいるのが、実際にケリーを撃った犯人・・・しかし、その男は今朝、敵対するギャングに胸を撃たれて、20分前に死んだところだった。その時に犯人が撃った弾丸と、ケリーが撃たれた弾丸が一致、銃の指紋とも一致したため、犯人だと断定できたらしい。ブランドンは、死んでしまった犯人の耳元に口を近づけ、「こうなって当然だろう」と言った。
犯人の死体に「こうなって当然だろう」と言ったのは、本気だったというブランドン。何を言われても死体だから傷つかないだろうと思った・・と、ケリーにその事を話して謝った。ケリーは、愛していると言ってブランドンを抱きしめ、ブランドンも愛していると呟いた。
【デビッド/深夜クラブの営業】
ミックス・ナッツ(3ケース)を届に来た業者は、その代金は即金払いでとデビッドに言った。デビッドは後払いにして欲しいと頼んだが、
過去の納品分も未払いであったことから、それは許されなかった。しかし、今回だけという約束で小切手OKとなり、デビッドはオフィスの散らかった机上を探すフリしてみせた。しばらくして、デビッドが「小切手帳を家に忘れてきてしまった」と言うと、ちょうどオフィスに来ていたドナが、自分の小切手で立て替えることを申し出た。デビッドは、今夜のうちに返すことを約束して、ドナからの小切手を業者へ渡した。
【デビッドが受け継いだ価値あるものとは?】
深夜クラブでの「Cain Was Abel」ライブでナーバスになっているデビッド。スティーブは、50名の読者へライブの入場チケットプレゼントの広告を載せていた。
大手レコード会社の重役アリ・バウワーから直々に電話をもらったデビッド。バウワー氏はデモテープを聞いたとのことで、明日の朝食をデビッドと約束した。
翌日、ピーチピットで会ったデビッドとバウワー氏。バウワー氏は1人で機関銃にように喋りまくった。「内金は2万5千ドル、契約後にレコーディング費用として25万ドルを支払う。こことここと、ここにもサインを!」と。デビッドが「興味はあるが・・・」と口を開くと、さらに「内金を3万5千ドルにUpする」と言い出し、デビッドは自分の話しを最後まで聞くように頼んだ。デビッドの言い分;金曜の夜に「Cain Was Abel」のライブを行うが、他のレコード会社にも見に来るよう声をかけているので、結論はその後で出すつもりだった。
バウアー氏は持参した契約書を破り捨て、一瞬怒ったかな???と見えたが、「今度はちゃんとした契約書を作成して出直してくる」と言って、ピーチピットから出て行った。
ライブが成功すれば、提示額の3倍程度で交渉できる!それがデビッドの思惑だった。
ドナは、「もしだめだったら・・・」と心配するが、デビットは成功させる事だけを考えていた。
ステージでは、「Cain Was Abel」がライブの練習をしていた。デビッドはバウワー氏からの契約の話をしたが、他のレコード会社にもライブを聞きにくるよう連絡してあるからと、その申し出は断ったと告げた。リーダーのデブンは、皮肉も込めて「そういうのは、得意な人種に任せておく」と言ってクシャミをした(ユダヤ人であるデビッドへのリアクション)。その場に黒い空気がたちこめた。
[celiaさんによる、クシャミについての説明]
英語訳:a-Jew: by : celia 5月22日(金)19時10分
バンドのくしゃみの a-Jew の件ですが atchoo(はっくしょんの意味:アチュー)とa-Jew(ユダヤ人:アジュー)を発音的にひっかけたんですよね。
深夜クラブのオフィスにて、バウワー氏とライブの曲順を決めていたデビッド。ドナも手伝いに来ていた。1曲目は「ナイト・アイズ」という曲の予定だったが、メンバーから「予言」にしたいと申し出があったらしい。ところが、その「予言」は、「正義のもと、ひとつの民族として団結しよう〜俺達は勝っている。どの人種、同性愛者達よりも」という、差別的な歌詞であることがドナによって指摘された。デビッドも歌詞を見るのは初めてだったらしい。バウワー氏の意見は、単なる歌詞の問題であって、CDに注意書きを書けば問題ないので売りまくればビジネスになる!とのこと。
ライブ直前、深夜クラブにはライブ目当ての客が大勢入っていた。ドナは絶対に許すことが出来ず、「予言」の演奏を止めるようデビッドに言うが、デビッドは無理だと思っていた。
場内は「Cain Was Abel」コールが連呼されていたが、自分には止めさせる義務もある・・・迷っていたデビッドは一言「止めた」と告げた。盛り上がる中を、ステージ上からライブごと中止するアナウンスをするが、デビッドが受けたのはブーイングの嵐。さらに、メンバー達が強引にステージへ上がり、勝手に演奏を始めてしまった。それでも、デビッドはアンプからシールドを引っこ抜き、物理的に演奏できないようにして、ついには殴り合いの喧嘩となってしまった。ノアも止めに入り、デビッドはデブンを殴ってステージから落としてやった。
ライブは中止となり、客はブーイング。ドナだけが、笑顔でデビッドを見つめていた。
お爺ちゃ小さかった頃、ナチスの将校が愛読書を取り上げられ、目の前で焼かれたことがあった。これもヒドい話しだが、今回のこともヒドいかもしれない。人が作った歌にケチを付けてチャンスを奪うことは、それがどんな歌であろうと、本当はしてはいけないこと。でも、それを止めさせたのは、問題を軽く見ていた自分に腹が立ったからだ。・・・誰もいなくなった深夜クラブで、デビッドがドナに話した。
今回の状況は、ひいお爺ちゃん達が、ホロコーストは恐れるに足りない事で、心配は要らないとたかをくくっていた頃と状況が似ている。しかし、実際に大虐殺は起きてしまった。お爺ちゃん一人だけが、家族の中で生き延びることが出来た。歌わせてれば儲かったかもしれないお金よりも価値あるものを、その家族から受け継いでいる。
彼らには好きに歌う権利があるが、ここでは別さ。
【ドナ、バレリーを殴る】
ドナはクライアントを(なぜか)次々と失い、今日は最後に残った人と待ち合わせをしていた。しかし、ドナがいくら待っても、相手は約束の場所・ピーチピットには現れなかった。
ドナは、「自分が本当にやりたい仕事ではなかったが、バレリーと上手くこなしてきたつもり」と、勤務中のカーリーに愚痴をこぼし、バレリーとは予想外に息があっていた・・・とカーリーに話した。バレリーは信用できない娘だったが(よく嘘をつく、ズルい、平気で友達を恋人を横取りする)、そういった経験は大目に見てコンビを組んで来たのに、いまさら何と伝えたいいか分からないと途方に暮れていた。
その頃、バレリーはクーパー氏のスーツをチョイスしていたが、どのスーツも気に入ってもらえなかった・・・というよりクーパー氏は、洋服じゃ満足できない・・・バレリーが何を着てくるかに興味があるらしい。
「あるレストランへの投資を考えているので、投資家のためのパーティでホステス役をして欲しい」と、クーパー氏に頼まれたバレリー。もちろんクーパー氏の相手も込み。バレリーは、ノアとボウリングの約束があったので、その依頼を断った(別の日に映画を見に行くことにした)。しかし、「残念だな、オートクチュールのドレスが無駄になってしまう・・・せっかく君のために準備しておいたのに」と、バレリーが興味をそそるように呟いたクーパー氏の作戦は成功した。
翌日。ビーチアパートへやって来たバレリーは、ついにクライアントが誰もいなくなったと聞かされた。Mrs.バーンダイク、Mrs.ジェーン・シュルツ、Mrs.バーンズ。バレリーは「まだクーパー氏がいる!」と言って、金曜の晩に開かれるクーパー氏のパーティを、ドナにも手伝って欲しいと頼んだ。
しかし、翌朝、バレリーを訪ねたドナは、バレリーの部屋に泊まったノアから、クライアント達との朝食/昼食に出かけたと聞いて、自分がバレリーにハメられたことに気付いた。怒りが込み上げるドナは、クーパー氏のパーティをノアに行かせることにした。きっと、バレリーは混乱するだろう・・・。
ドナにバレた事など知らないバレリーは、美容室で髪を染めてもらいながら、クーパー氏はハンパなくリッチでハンサム、ノアは貧乏だがハンサム・・・どちらも魅力的で選ぶことが出来ないと話していた。が、「リッチな方を選ぼうかな?お金ないし・・・」とバレリーがと呟いた時、たまたま居合わせたカーリーが、壁の反対側から姿を現わした。全ての話を聞いていたカーリーは、「来てると思わなかった。この店高いのに〜」と言って、バレリーを無言にさせた。
「エクリプス」で行われたパーティには、スティーブとカーリーも来ていた。カーリーが美容院で会った事を話し出し、バレリーは慌ててシャンパンを取ってくると話を誤魔化した。キッチンに入っていくバレリー、料理を持って出ていくノア。お互いに気付き、ノアは嬉しそうだがバレリーは大慌て。クーパー氏を紹介されるよう言われたバレリーは、キッチンの小窓から適当な老人を指さして誤魔化した。ノアにはキッチンにいるよう命令し、バレリーは料理を持って外へ出たが、スティーブ達にクーパー氏とのことがバレそうになるわ、クーパー氏からはダンスに誘われるわで大忙し。
キッチンにシャンパンを取りに来たバレリーに、ノアは「まるでERみたいに大忙しだな」と楽しそう。そして、「制服を着てないから外へ出るな!」と言わていたノアは、壁に掛けられてた制服を拝借して、キッチンの中から出てしまった。ところが、バレリーがクーパー氏だと偽って教えた老人に、ノアが誤ってキャビアをブッかけてしまい、その騒ぎに気付いた本物のクーパー氏も来てしまった。バレリーはノアを場から離すため、染み抜きを取って来るよう命じたが、キッチンに戻ったノアは、着ていた制服を脱ぎ、「お呼びじゃないようだ」と告げた。バレリーは冷たくしたことを謝り、30分後に深夜クラブで会うことを約束した。
パーティの後、ピーチピットにやってきたバレリー。ノアは、二人の雰囲気を察知して、座席を取るために離れた。約束を破ったことをドナに怒るバレリーだが、逆に「クライアントを奪っっておいて、その言い草はない」と言われ、さらに「ノアにバレリーの本性を知って欲しかったのに残念・・・嘘つきで、ズルくて、最低!」と怒鳴られた。バレリーは「ついにハジけたか!あの純真無垢なドナ・マーティン。ついに本気で怒り出す」とおちょくった。そして、「デビッドと上手く言っていない当てつけ?二人きりの甘い時間が思うように取れないから ・・・デビッドは、ベッドでも甘いというより粗っぽいけど」と言ったバレリーに、ドナは「この恥知らず!」と言って顔を殴った。悔しがるバレリー。
(参考)「エクリプス」とはS.セガールとW.ゴールドバーグが出資者として名を連ねるレストラン。外観ロケがそこなだけで、同じ映像が毎回使い回しされてます〜
【スティーブ、カーリー/もう沢山】
スティーブは、ザックへのプレゼント持ってカーリーの家へやって来たが、カーリーから「もう沢山」という言葉を知らないのか?、これまでにくれた物;グローブや模型飛行機は、それは遊園地へ行く約束をすっぽかした埋め合わせか、サンタクロースの真似なのか?と言われてしまった。スティーブは単純にザックが好きなだけだった。しかし、カーリーは、「子供は新しいオモチャを貰えばはしゃいで、しばらくはそれで遊ぶ。しかし、飽きてしまえばガレージに捨てられて、埃まみれになるのが落ち・・・オモチャと子供は共通点がある。私に近づくためにザックに物を買い与えて、ご機嫌を取るのはやめて欲しい。私は、この先もずっと怒っている!」と言って、スティーブを追い返してしまった。
バレリーからのアドバイス。カーリーはまだ若いのに、一日中子供の世話をしちている・・・料理、掃除・・・休ませてあげるべきだ!カーリーを五つ星レストランに招待したらどうか・・・スティーブは実行に移すことを決めた。
カーリが仕事から戻ると、カーリーの母親が待っていた。綺麗に片づいた部屋を目の前にしたカーリーは、手にモップを持った男性が現れて掃除をして行った事、ザックもよく知っている人らしいと聞かされた。夕食を食べていないカーリーのために、ワインとピザが、部屋にはバラが置かれていた。ピザに添えられていたカードには、
親愛なるカーリーと書かれていた。笑みを浮かべるカーリー
まず芝生を刈って、次にキッチンを片づけ、その後、外の部屋を綺麗にした。君が言った通り、俺は「もう沢山」という言葉を知らないが、君の好きなトッピングは何だろうと考えながら、このピザを考えた。そういう事が知りたいんだ。君が何を好きなのか、今度教えてくれ。スティーブより
バレリーがホステスを務めるパーティの帰り、カーリーを送ったスティーブは、ピザのトッピングは「オリーブとグリーン・ペッパー」が好みで、「アンチョビ」はパスだと教えてもらうことが出来た。二人はキスをして別れた。スティーブがウキウキで帰ろうとすると、ザックが懐中電灯片手に、窓から笑顔で手を振っていた。
|