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5-09:転落への道
(Intervention,1994/11/2,1995/6/10,1997/10/19)

【ディラン】
「みんな心配しているわ...ジムが家で待っているから話し合いを」と、ディランの家を訪ねたのはシンディだった。放っておいてくれとディランは断るが、「いままでに、あなたに頼みごとをしたことがあって?心配なのよっ」とシンディに言われ、ウォルシュ家へ行く決心をした。しかし、支度をするためにやってきた洗面所で、ディランはドラッグを鼻から吸い込んだ。

シンディに連れてこられたディランを待ち受けていたのは、ジムだけではなかった。ブランドン、ケリー、ドナ、ナットさん、スティーブ、デビッド、アンドレア...そして、アルコール中毒症を専門とするカウンセラー;Ms.エレン・マークスがリビングでディランを待っていた。バレリーとクレアには誘いかからなかった。エレンは「ここにいる全員はディランを心配して集まったのだから、彼らの言い分を聞いてくれ」とディランに言い、みんなは一人ひとりディランへも思いを話した。

ブラ:
絶望のどん底へ落ちていくのを黙って見ていられない。それは、高校生の頃にヨセミテ公園で自分の命を救ってくれた命の恩人だから。そんな人が酒に溺れてアル中になって死んでいったら、僕はこの先誰に助けてもらえばいいのかな...。
ディ:
俺の仕事は人命救助じゃない。
デビ:
僕がヤクに手を出して、警察に踏み込まれた僕を助けてくれたのは先輩だった。
アン:
それに、二人ともこれ以上親友の死を目撃したくないのよ。

エレン
:アル中の場合、周囲に暴力を震ったりしないかを調べるが、ディランの場合は自分自分を傷つけているようね。
ナット
:自分は盗み以外はなんでも許せるが、ピーチピットを深夜クラブにした日の売上が合わなかったのは、おまえさんの仕業だろう! その頭を冷やして考えろ...さもないと、このまま暴走して死んでしまうゾっ。
ディ:
俺は死んだりしないし、自殺だってしないぜ。馬鹿馬鹿しいので帰るぜ
エレン
:少しでもプライドが残っていて、生きる望みを捨てていないなら、ここに残って話を聞いて。いま出ていったら、あなたの帰る場所はもうないのよ。
ディ:
居場所なんてもともとない...だから帰る。
スティ
:心配して集まったのは時間のムダだったんだ。いくら呑んだくれてようが、バレリーをモノにするだけの元気があるうちは、心配ないってことさ。
ディ:
待ってくれ、スティーブ。それは....
スティ
:お前がこの場から逃げ出したいのはわかるが、お前が消え失せる前に俺が出ていくっ。
ディ:
なにもかも俺のせいか? お前を傷つけるようなマネはするなとバレリーに言ってあったんだ。
スティーブ...座ってくれ。オレもちゃんと座って話をするから...。

ドナ:
自分は一人っ子だから、ディランをお兄さんのように思っていた。慈善パーティの夜、他の招待客がディランのことを最低な奴呼ばわれしており、二度とあんなマネはして欲しくないと思った。
ディ:
翌日、謝りに行ったことは覚えてないのか?
ドナ:
覚えているわ。あのあと、授業の登録へ一緒に行くのをスッポかされたこともね。
ディ:
オレが大学生活へ戻らなかったのは、君とは何も関係ない。
アン:
薬のせいだものね。薬に手を出さなければ、大学へ来なかったり、友達に背を向けたりはしないはずだわ。
ケリー
:私達はいつも喧嘩をして、その度にお互いに嫌な思いをしたけれど、あんな仕打ちしなくてもよかったんじゃない?私の目の前で女の人と抱きあったりして、私への当て付けだったろうけど、私が他を人を好きになったりしたから...。あんたの狙い通り、私は傷ついた。
ディランは、みんなの話を聞く途中、薬をやろうとしたがグッと堪えてトイレから出ると、みんなに謝罪するにはどうしたらいいかと言い出した。エレンは専用施設のベッドは手配済みだと答え、一度は反抗するディランだが、「施設に放り込まねば自分の病気が直らないとみんなが思っていて、それが望みなら施設へ行くよ!」と告げ、みんなは安心した。

コミュニティ病院へやって来たディランとルームメイトになったのは、Mr.カーク。ディランは自分はマイペースでやっていくので気にしないでくれ言い、酒の話を仕出したカークに目障りだと言って、病院の生活に馴染もうとはしなかった。

ディランのお見舞いに来たバレリーは、面会出来ない代りに差し入れを持ってきたと受付で話していると、退院手続を持ったディランがやってきた。「人の手を借りず、自分の力で立ち直る」と、自ら責任者の元に掛け合いに行ったのだ。責任者は、「君のような人間は、もっと健全は生活を送るべきだ。人生甘いものではない、やっていけるのか。」とディランを引き留めようとしたが、拘束する権利はないからとディランの退院を認めたのだった。入院してたった1日で退院したディランは、車で来ているバレリーに家まで送るよう言った。バレリーは勝手なことをしていいの?と返事をするが、それならタクシーで帰るというディランに、自分が送ると言った。

やっぱり自分の家が一番いいと言うディランは、中華のデリバリとビールのディナー。バレリーは本当にこれでいいのかと問い、また今度酔ったら大目に見ないから忠告するが、出ていくのとビールとどちらがいいかと言われ、バレリーはビールを選んだ。
その頃ウォルシュ家では、「退院する前に、どうして相談してくれなかったんです?」と、ディランの退院を聞いたシンディが混乱し、「これ以上努力しても水の泡さ...諦めよう。」と、ジムがシンディをなだめていた。シンディはディランの家へ留守電を入れるが、それを聞いたディランは「なんだ、もうバレてるのか」と、ビールを流し込んだ。

ディランは薬を手に入れる為に、仲間へ連絡を取るために電話をした。それを見たバレリーは、ブランドン達からディランを病院へ入れると聞かされた時、やり過ぎじゃないかと思って止めるよう頼んだのに...やめて!と命令した。しかし、仲間からの折り返しの電話に出たディランを見たバレリーは、もう何を言っても無駄だと家を出た。
ディランは薬の取引の為にプールバーへやって来たが、手に入らなかったという薬の代りに「ドラゴン」を渡された。それはヘロインで、まるで吹雪の中にいるみたいな強烈な刺激が味わえるというもので、今回はサンプルだからとタダで貰えることになった。

バレリーがウォルシュ家に帰宅すると、シンディからナットさんへ入った電話で、ディランが勝手に退院したことを知ったブランドンとケリーも帰っていた。ケリーはディランから連絡がなかったかと尋ねるが、自分は映画館にいたので連絡が入るわけがないと答えた。バレリーは、「心配するのはやめたらどうですか? 心から助けたいと思っても、当の本人が屁とも思ってないんです。それに、人生を選ぶのは彼自身ですわ。いくら私たちがとやかく言った所で、彼は変わらない。」と、心配だとオロオロするみんなに言った。

翌朝、L.A.が見渡せる丘の上で目覚めたディランは、夕べもらったドラゴンを火で炙って吸い込み、強烈な刺激がディランを覚醒させた。そこへパトカーがやってきたが、ディランの車の横を通り過ぎていった。自分に気づかれる前にと、ディランは丘を降りるために車を運転するが、薬のせいで目がクラクラする。ハンドルは右へ左へ切られ、谷側の柵を乗り越えたディランの車は、真っ逆さまに谷へ落ちていった。

【クレア&デビッド】
ウォルシュ家の集会を終えたデビッドは、ビーチアパートのクレアの部屋へやって来た。クレアはいい考えがあると言って、ビデオカメラをベッドに向けて撮影し出した。「ビデオで見たら自分達がどんな風に写ってるかな」と言うクレア...そんな大胆なクレアに驚きつつも洋服を脱ぎ始めるデビッド。クレアがカメラにセットしたテープは、空きテープが無かったので、もう不要だという、以前ドナと一緒に取ったビデオに重ね撮りしたものだった。

翌日、撮影した"あの"ビデオを見てみようとデビッドが提案し、クレアは机の上のビデオの山の中からテープを探すが...ナイッ! 捨てたりしていないし、どこかへ持っていた記憶もない。もしあんな内容のテープが人目に触れたら生きていけない...と、二人はアパート中を探し回った。ところが、二人がリビングのソファをひっくり返して探しているところにドナが戻ってきて、そのテープならDr.マーティン(パパ)が見たいからと、あげてしまったということが判明。事情を聞いたドナは、呆れながらも自宅へと急いだ。

つい数分前まで、自宅にいて帰宅したばかりのドナを見つけたフェリース。ドナは忘れ物を取りに来たとごまかしたが、時すでに遅し...パパがビデオデッキの脇でテープ片手に立っていた。ドナは、恐る恐るテープを見てしまったかと聞いたが、中身は砂あらしで何も写ってなかったとのこと。ホッと一安心するドナだが、「"あの"デビッドによろしくな」と言ってテープを渡すパパの言葉を聞いて身が凍り付く思いをするドナだった。フェリースにバレたら大変と、機転を聞かせてくれたパパのおかげで大事にならずに済んが、Dr.マーティンは「いつか借りは返してくれるよな」とウィンクしてみせた。

【ドナ】
ドナは、今夜のディナーにグリフィンを招待するようにフェリースから言われていたが、ハロウィンの夜の一件で別れた事を話していなかった。気が重いドナだが、ディナーの支度をしているフェリースに、グリフィンとは別れたことを告げた。それを聞いたフェリースは、ドナの新しい彼レイのことを根掘り葉掘り聞いてきた...どこの大学で、何を専攻しているのか。ドナは正直に「レイは大学へは行っておらず、レシーダに住むミュージシャンだ」と話た。フェリースは教養も地位もない者を快く思わなかったが、ドナが懸命に好きだと言うので、ディナーに招待するよう告げた。急に言われても困ると断るドナだが、「あなたの事を本気で好きなら来れるはず」と言われて、仕方なくレイをディナーに招待することになった。

約束に7時になっても来ないレイに苛立つフェリースだが、Dr.マーティンはドナが持ってきたビデオテープを観賞して待とうと提案した。そこにちょうどレイが到着し、ドナはレイを両親に紹介した。レイは持ってきた花束をフェリースに手渡し、道を間違えて遅くなったと言った。
食事の席で、フェリースがレイの事を知りたいと言いだし、自分はサンベルディーノ出身で、親はオクラホマ出身であると話したが、フェリースは「この夏にオクラホマのオイル工場の人とひと揉めあったのよ」と言いだした。親はそこでは働いていないし、親戚にもいないと答えるレイ。そして取り繕う必要はないと、「確かに自分は名門の出じゃないし、将来もどうなるかわからない。二人のお気に召さないということもわかっていますから」と言い、出てきたラム肉をおいしそうだと褒めた。すると、フェリースは「あなたの為に特別に焼いたのよ」と言って、笑ってみせた。

食事も終わり、ドナとレイは愛犬ロッキーIIの散歩に出かけた。しかし、家には帰りたくないと、ドナは同じブロックを3周もしていた。二人はレイの車の荷台に座り、両親の失礼を詫びた。レイはフェリースには降参だが、Dr.マーティンは感じがいい人だと答え、ドナもパパは優しい人だしレイを気に入っていたと言った。レイは「パパは誰にでも優しく接する人だ」と返事をするが、ドナは「あなたはとても正直だった。パパはそういう人が大好き」と言うが、ドナと付き合っているのであって、両親と付き合うわけではない。だからそんなの関係ない...でも、ロッキーIIとは上手くやって行けそうだと言って笑った。

クレアとデビッドのビデオを取り戻しにやってきたドナは、ママが気に入らなくても自分はレイが好きだと宣言した。そして、グリフィンも素敵なのにというフェリースに、グリフィンが2回目のデートでベッドに誘ってくるくらい紳士だったと言って、再びビーチアパートへ帰っていった。

ドナの家から戻って来たレイに、母親は興味津々で話を聞いた。レイの母はその前の朝も、ドナがビバリーヒルズに住んでいるお金持ちのお嬢さんということで、好奇心からレイにいろいろな質問をしていたが、レイはドナの財産目当てに付き合っているわけじゃないと答えていた。家は?家具はどんなだったか?ノースサンセンット通りに住んでいるか?などなど...。そこは本当の億万長者しか住めないという通りなのだ。レイは、メイドは星の数ほどいて、どこを歩いていてもメイドに遭遇するほどだし、両親もとても良い人だと、現実とは違う話をしてみせた。自分の息子はこんなにもハンサムだから、良くしてもらえて当然だと言う母は、ドナと仲良くするようレイに言った。

【ケリー】
ケリーにモデルの仕事の話が舞い込んだが、モデルの仕事がどんなにプレッシャ−のかかる仕事であるか、すでの幼少期の頃に体験済みだったので、全く乗り気ではなかった。逆にジャッキーは大喜びで、ジャッキーに頼み込まれたケリーはとりあえず話を聞くことにした。ケリーにモデルを依頼しらのは、雑誌「セブンティーン・マガジン」のリサ・マーチンソン。彼女は、クロードが撮ったケリーのグラビアを見て、今回の仕事を依頼する気になったのだが、「次号から女子大学生特集を組むので、本物の大学生をモデルにしたいの。年間4冊を出版するが、見開き6ページくらいを予定している」と説明した。しかし、同行したジャッキーが自分の若い頃の話で割り込んでくるため、ケリーと二人だけにして欲しいと頼み、ジャッキーは部屋を出ていった。この話に乗り気ではないようだ....と言われたケリーは、モデルは体験済みだし、母のようにはなりたくないと答えるが、リサは「これは永久就職に話ではないわ」とケリーを説得し、ケリーは少し時間をくれと返事をした。

ケリーとジャッキーのいるレストランに招待されたブランドンは、「ニューアイドル誕生のお祝い...ケリーのね」とジャッキーから聞いて、ケリーがモデルの仕事に参加することを知った。
その帰り、ピーチピットへ立ち寄ったブランドンとケリー。そこにはジェシー、アンドレア、スティーブが来ていた。ケリーはダイエットのために紅茶のみをナットさんに注文した。ジャッキーとの食事の時も少ししか食べていなかったが、仕事を引き受けたケリーは、ジャッキー曰く「ダイエットする必要はない」との言葉とは裏腹に、太れないと思い込み、食事をとらないようにしていた。


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