Episode Guide

5-08:追いつめられて!
(Things That Go Bang in the Night,1994/10/26,1995/6/3,1997/10/12)

【バレリー】
ディランとのことが皆に知れ渡ってしまったバレリーは、「完全に嫌われてしまった。L.A.には居られない!」とバッファローへ帰ろうと思っていた。しかし、母アビーが精神不安定の為に入院することになり、スージー、カット(バレリーの妹達)も近所の人に引き取られることになったと知ったバレリーは、なおさらL.A.には居られないと思った。そして「(バレリーが)何も問題を起こさないと思っていたか」とジムとシンディが話しているのを聞いて、引き止めるジムとシンディに「本当は私に出て行って欲しいんでしょう?」と言った。ジムは「お母さんから預かっもらえないか?と言われた時に戸惑ったのは確かだが、でも君を放り出す気はないんだ」と、正直な気持ちをバレリーに話した。トラブルが起きた時は家族全員で解決していると言うシンディに言われたバレリーは、二人の好意に甘えてL.A.へ残ることを宣言し、「また一からやり直せるといいんですけど」と言った。

スティーブは大変怒っていた。ブランドンは、「ディランを弁護する気はないし、バレリーの事も水に流せとは言わないが、皆に嫌われていると悩んでいるバレリーにチャンスを与えて欲しい。バレリーは、お母さんが精神病院に入院することになってバッファローには戻れなくなり、パパも銃で自殺しているので頼れる人がいないんだ。君が許せばみんなそうするだろう。」と、スティーブに許してくれるよう頼んだ。
スティーブはブランドンの話を聞いて、明日のハロウィン・パーティにバレリーを連れて来るように言った。そして、バレリーを許すかどうかわからないがディランを許す気はないとスティーブが言うと、ブランドンもディランを弁護する気はないと答えた。

ブランドンと一緒にバレリーもハロウィン・パーティへやって来た。ケリーは「ブランドンの為にも我慢して」とスティーブに言って、二人に声をかけた。その通り、スティーブはバレリーには普通に振る舞ってみせた。
アンドレアとジェシーの夫婦喧嘩を見たバレリーは、自分の悩みに比べれば平和そのものだと言い、スティーブはお母さんのことを聞いたと打ち明けた。そして、もうスティーブに頼る資格はないと言うバレリーに、スティーブは夜行われるパーティにも来るよう誘った。

夜遅く、みんなが寝静まった頃を見計らって帰ってきたバレリーを、暗闇で待ち構えていたのはブランドンだった。ブランドンは、「ちっともパーティに来ないバレリーは、きっとディランの会ってるんだ!」というスティーブの電話を受けていたのだ。

Val.
ディランに会うことがそんなに悪いこと? 自分は、荒れていくディランを置いてパーティに行くことは出来なかった! 今の彼は独りぼっちなのよ。自分にはチャンスをくれたのにどうしてディランにはドアを締めてしまうの?
Bran.
助けが必要だったら、自分から言ってくるさ。
Val.
ディランは強いドラッグに手を出すところまできてる。まるで自殺する前のパパのよう...一日中家に隠って、銃を磨いている。
ブランドンは、ディランが捨てたはずの銃をまだ持っていたと知り、一緒に行くというバレリーの申し出を断わり、ディランの様子を見に行くことにした。

【ディラン】
スティーブはピーチピット深夜クラブから手を引いてしまった。ディランは「クラブから手を引くのは惜しい」と、自分でもクラブくらい出来るとナットに言うが、今のディランにはクラブを成功させるほどの能力はないと思っているナットは、「クラブのアイデアを出して客を集めたのはスティーブで、成功したのはスティーブのおかげだ!」と怒鳴り、ディランは「その為に家を抵当に入れてまで資金を作ったのだから、儲からなければ自分はホームレスになってしまうっ」と言い合いになった。しかし、店が混んで来たので、話し合いは翌日の16時にもう一度行われることになって、ディランは店を出ていった。

ディランは落とした引き出しの中から、しまったまま忘れていた銃を発見した。それは以前、ブランドンを撃ちそうになった銃だった。ディランは電話を途中でやめ、銃を握って構えた。
ディランは、ナットさんとの約束をすっぽかしてビリヤードで勝ちまくって、気分はハイになっていた。そんなディランに、「もっとハイになるものがある」と男が声をかけてきた。その男からドラッグを買ったディランは、ソファでぐっすり眠っていた。
そこへ、社交クラブの夜のパーティへ行く前のバレリーが姿を現した。ディランはソファでバレリーにキスしながら「君も(薬で)一発決めないか?」と誘うが、バレリーは「これからパーティへ行くのでハイにはなれないわ」と断わって、ディランとのキスを続けた。しかし、テーブルの上に置かれた弾丸を発見したバレリーは、急に正気に戻って立ち上がった。物騒なものは閉って!とディランに命令し、自分のパパは銃で自殺したのだ!とディランと銃から目を背けた。ディランは「同情するが、自分の説教するなら帰れ」と大声で怒鳴り、バレリーはショックのあまり言い返すことが出来ずに立ち尽くしていた。

昼間、ハロウィンのおかしの代わりにバレリーからお金を受け取った子供達が、再びディランの家へやってきた。しかし、眠っていて気付かないディラン。子供達は「おかしをくれない代わりの悪戯」...ドアや窓に生卵をぶつけ始める、その音でディランは目を覚ました。そして、銃で子供達を脅して追い払い、イラつくディランは骸骨の書かれたチェアカバーに向かって銃をぶっ放した。

眠っていたディランの元に、バレリーから様子を聞いたブランドンがやって来た。

Bran.:
スザンヌやケビンのことは忘れるしかない、いい加減一日中家に隠るのはやめろ!
Dylan:
2カ月も避けてたくせに、今さらのこのこやって来て説教するなんて、一体何様のつもりなんだ! 脳天気に生きてるくせに。お前は挫折なんてことも味わったことのない甘ったれお坊っちゃんさ。よくも俺に指図できるゼっ...何もわかってないくせに!
Bran.:
当事者は自分ではない
Dylan:
お前には何もできない。でもブレンダにはガッツがあった。お前なんか必要としないからイギリスへ行ったんだ。
Bran.:
いま友だちと呼べるのは自分しかないのに、そんな態度を取るのか?(と笑いながら言った)
そう言って銃を持って出くブランドンに、ディランは「出ていけ」と怒鳴り、再びベッドで眠り始めた。しかし、ブランドンは戻ってきた。そして、眠るディランを椅子に座って見つめていた。

【ドナ】
カパエプシロンでは、子供達を招くハロウィン・パーティを開く準備をしていた。
ドナは、カタリーナ島での一件については怒っていないとグリフィンに言った。そこへやって来たケリーから「バレリーはバッフォローへ帰らなくなった」と聞いたグリフィンは「二股をかけて男のハートをもて遊ぶ女なんか追放するべきだね」と言い、ドナは自分のこととだぶらせながら「計画的だったわけじゃないわ」と言っていると、そこへレイのトラックがやってきた。カボチャはマンツが受け取りに行くことになっていたが、レイが自分が持参すると答え、ドナは"グリフィンとレイ"の鉢合わせにドギマギした。
ドナはレイの元へ走り、レイがドナの頬にキスをした。しかし、レイはドナの態度から「仲間から俺との交際を反対されているのか?」と悟り、ドナから「まだ紹介してない」と聞くと、「ピーチピットでも自分の事を紹介してくれなかったし、自分との事が恥ずかしいのかと思っているのか?」とドナに質問した。それを聞いたドナはカボチャを取りに来たみんなに、レイと従兄弟のトミーを紹介した。グリフィンはトミーが9歳だと知ると、明日のパーティに来るよう誘い、自分達にフランクに接してくれる学生は初めてだというレイに、「我がクラブのモットーはフランス語でいう"イガリテ"。つまり平等を実践してるだけなのさ」と言って去り、レイは「そうかよ」と呟いた。

ハロウィン・パーティでは子供達がゲームをして楽しんでいた。レイもグリフィンもドナを探していたが、どこにも見当たらなかった。ドナは、二人から逃げる為にクラブハウスの中に隠れていたのだった。それを見つけたケリーとブランドン。ブランドンはドナが逃げている理由を聞いて、思わず「君も二股かけてるって言うのかい?」と言ってしまった。仕方なく、ドナはケリー達と外へ出ることにした。広場ではレイがギター片手に、子供達に歌を歌ってやっていた。レイの歌を聞いていたドナを見つけたグリフィンは、「少し妬けるけど、彼も君を好きみたいだ」と言ってドナの頬にキスをした。その光景を歌いながら見ていたレイは、歌が終わるとドナに声もかけずに帰ってしまった。ドナはレイを追い掛けて、誤解だから話を聞いてほしいと頼むが、レイは「自分の方を本命だと思っていたのに」と言って、今夜はパーティがあって話し合いが出来ないというドナに、「カレッジのお坊っちゃん達と、たっぷり楽しむがいいさ」と言い残して行ってしまった。

ドナは、レイとは気まづいまま終わらせたくない...と、夜のハロウィン・パーティでケリーに話した。ケリーは「グリフィンとは、ある障害にぶち当たっている」というドナに、「あんたがバージンのまま通したいということを受け入れてもらえないなら、絶望的よね」と言い、グリフィンにはまだ話していないと知ると、「それはグリフィンに対して失礼だ」と言って、明日の朝が早いので...と、先に帰ってしまった。ドナは、近寄ってきたグリフィンに打ち明ける以外ないと腹をくくり、なぜ自分がグリフィンと寝ようとしないかを説明しようとした。しかし、早合点したグリフィンは「誰なんだ!」とドナの説明を妨げ、スティーブの二の舞いにはなりたくないと告げた。ドナはレイと数回だけデートしたことは正直に話した。それを聞いたグリフィンは、レイがいるから自分とは寝ないんだ!と考え、そう思ったグリフィンをドナは軽蔑して外へ飛び出ていった。そこへレイが車でやってきた。ドナは外まで追ってきたグリフィンに「何しに来たんだ?車の荷台をベッド代わりにしてかい?君は男をじらしては遊ぶ、安っぽい女...」と言われて、思いっきりグリフィンの顔を殴ってやった。グリフィンは「君みたいな女に惚れた自分が馬鹿だった」と言い、ドナはレイの車の方へ駆け寄っていった。

ドナはレイの車に飛び乗り、二人はL.A.の夜景が一望できる場所へとやってきた。そこは、レイが家でのゴタゴタに耐えられなくなった時にギターを持って来る場所で、グリフィンの顔を殴っている所を見たレイは、ここならドナの気分も落ち着くだろうと連れてきたのだ。何か言いたげなドナの態度を察したレイは、ギターを取り出そうと運転席へ移動したが、ドナはついに自分はセックスできないの!と口にした。結婚するまでバージンでいる決めているので、このまま別れるか友だちのままでいるかはレイ次第だと言うが、レイは「確かに驚いたが、今夜クラブハウスへ行ったのはドナに会いたいと思ったからで、これからも会いたい」と、まだ詩の付いてない曲を聞いてほしいとギターを弾き始めた。ドナは、セックスできないと知っても気持ちは変わらないと聞くと、レイの太股に手を置き、肩に頭をもたれながら曲に耳を傾けた。

【アンドレア】
アンドレアは、ブレンダが小さい頃に着ていたベビー服のお下がりを貰いにやってきたが、ジェシー曰く「メキシコの伝統行事にカソリック教的な要素が少し加わった"死者の日のお祝い"にハンナを連れて行く」という事に反対していた。それは墓地で一晩中続くお祭りで、敬虔なユダヤ教徒であるお祖父ちゃんが生きていて、孫が「死者の日のお祝い」に参加すると知ったらショック死するだろう...と、ブランドンに愚痴をこぼした。
ジェシーは再度「本当に墓地連れて行く気?」とアンドレアに聞かれ、そんなに嫌なら自分だけで行くから放っておいてくれ!と、さっさと行ってしまった。
仕方なく一緒に墓地へやってきたアンドレアは、墓地でのお祭りの綺麗さに少し感動していた。しかし、ジェシーの叔父さん夫婦がやってきて、叔母さんが「あなたの聖体拝領の為に用意したのよ」と、ハンナの首に十字架をかけるのを見たアンドレアは、笑い顔が引きつっていた。

ジェシーは、ハンナを墓地へ連れていったことに意義があるんだと言うが、アンドレアは「ハンナがあなたの家族のしきたりに従って生きていくのは大切だと思うし、反対はしない。、でも、あの子はユダヤでもある。私はショーウィンドウに十字架が飾られていても気にならないが、ハンナが付けるのは・・・。私にとって十字架はただのアクセサリーじゃないの!」と、ジェシーに訴えた。そして、二つの宗教の信者にはなれない...これからどうなるの?と心配するが、ジェシーは「同じ立場の家族は沢山いる。これから3人で解決していけばいい...」と、今夜はもう休もうと言うが、「だったらいつっ!!!」とジェシーを払い除けて部屋を出て行った。

【クレア】
クレアとデビッドは、沢山のストロベリーアイスクリームを持って、バースト近郊の砂漠へ出発しようとしていた。噂によると、エイリアンもアイスクリームが好きだと言うクレアは、「エイリアン、大統領に助言」という新聞記事を持ち出しての講議に影響されて、最もUFOが目撃されているというバーストへ行ってみることにしたのだ。デビッドは「もしかしたらエイリアンをビデオに収めることが出来るかもよ!」と誘惑され、プロデューサーの血が騒いだのだった。

バーストへやって来たクレア達は、噂の店の前で車を止めた。UFOを見る為のベストスポットを聞き出そうと店内に入り、デビッドが店主に声をかけると、彼は自分のUFOをビデオに撮影して$39.95で販売していると答えた。彼はそのUFOに乗って「ザーガパトニア」から来た...地図も買わないかと言ってきた。「完全に馬鹿にされてる!」と、呆れたクレアは店を出て行こうとしたが、店主は更に「ザーガパトニアのマーク入りマグカップを土産に買わないか?」と言ってきた。しかし、デビッドもクレアを追って出ていってしまった。

二人はストロベリーアイスクリームを食べながらUFOの出現を待ったが、なかなかUFOは現れなかった。しかし夜になって、緑色に点滅する光を見つけた二人は、大急ぎで光の方へと向かった。興奮するクレアは自らカメラを構え、「ホモサピエンスのクレア・アーノルド....」と、その模様を中継し始めた。ところが、その光はUFOではなく、パラボーラアンテナの周囲を照らす光だった。

結局UFOに遭遇することのできなかったデビッドは「エイリアンと君を奪いあう事にならなくてよかったよ」と言い、クレアは「そんなロマンティックな事を言ってくれる人に会うのは初めて」と、キスをした。そして、二人は初めての「記念すべき夜」を過ごすことになった。その時、二人の上にはオレンジ色に光るUFOが出現していた。しかし、夢中で抱き合っている二人が、UFOに気付くことはなかった。


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