バレリーがP.P.A.D.の控室で昼寝をするレイを訪ねた。レイは、バレリーからの電話に居留守を使い続けていた。バレリーは、「もう少しに敬意を表したら得をするのに...だから墓穴を掘るのよ」と言った。そこへドナが入ってくると、立ち上がったバレリーは「うちのスターに挨拶に寄ったのよ」と言って、部屋を出ていった。しかし、二人には「うちのスター」という意味はわからなかった。
ドナはレイに、バレリーは個性的で好きだと言った。
その夜。レイのライブは(開演21:00/終了23:00)、外には列が出来るほど盛況だった。スティーブは珍しく姿を見せたラッシュに、何しに来ているのかと訊ねた。レイのステージが終わってステージに立ったラッシュは、本日17:00に新しい経営者が誕生したと言って、バレリーを紹介した。バレリーを知らない観客は拍手で迎え、スティーブ達は驚くやら呆れるやら、それぞれの反応があった。
興奮するバレリーを、レイは「クラブの経営が出来るとは思えない」と言い、ドナは「おめでとう、頑張ってね」と祝福して抱きあった。ドナの肩越しにレイを見つめるバレリー。
* * *
翌朝。ウォルシュ家でも、バレリーがP.P.A.D.を買収した話が話題になった。ジム「バレリーはすっかりビバリーヒルズに洗脳されてしまった」と言い、シンディはアビー(バレリーの母)に連絡した方がいいのではと提案した。しかし、母親はバレリーの問題どころではない状態。ジムは、バレリーのお金だから口出しすることは出来ないと言うが、だからと言って放っておけないし、いつか面倒を起こすのでは・・・と、心配するシンディだった。ジムは、そうなれば助けを求めるだろうと思っていた。
レイは、P.P.A.D.のオーナーとしての初仕事・・・壁にダーツを取り付けるバレリーを訪ねた。「レイともっと寝たい」と言うバレリーに、それを断ったらドナに告げ口するのか?と言うレイ。バレリーは、「ドナは自分の親友なので告げ口はしない。大学の学歴は他人が思うほどどうってことはない。レイは頭が良いからわかるだろう」と答えた。呆れたレイは、バレリーを悪女だと言い残して去った。
P.P.A.D.の出演者選考会議にやって来たデビッドとクレアは、他のミュージシャンも試してみたいからと、レイの代わりとなるミュージシャンを発掘するよう頼んだ。クレアは、レイをクビにするのか?と驚いたが、デビッドは意地悪ではないけれど同意見だと、バレリーの意向に賛成し、2日間で全てアレンジすると約束した。
レイ最後のステージの夜。バレリーは、レイが来ないと思っていたとレイに声をかけた。レイは契約は今夜までだからと答え、ドナには近づくなと命じた。そして、バレリーが「自分がレイに脅迫される筋合いはない」と言うと、レイは「あるさ...真実さ」と言った。レイは自分が犯した罪をレイに話す覚悟でいた。
【ドナ、レイ】
クレアからレイがP.P.A.D.をクビになったと聞いたドナは、とても驚いた。クレアは、バレリーとレイは音楽センスが合わないらしいと説明するが、ドナは、バレリーもレイの音楽を気に入っていた・・・と話した。そして、クレアとデビッドもレイを気に入っていたのに、どうしてクビにするのかと責めるドナは、デビッドが裏切ったと知って呆れた。自分のことはいいが、チャンスを掴みかけている人の足を引っ張るのは酷すぎる・・・きっとさみしい思いをしているだろうと心配していた。
その頃、レイは街を出る荷造りをしていた。
カエルの子はカエル・・・父親のように逃げるのか?と言うが(レイの父は昔、クリスマスに蒸発)、レイは逃げるのではなく出ていくのだと答えた。北部の学生相手のクラブをまわる仕事をエージェントからもらったレイは、いまは街を出て何もかも忘れたいのだと話した。
レイの母は、ドナの事はどうするのかと訊ねた。レイは、ドナの事は愛している・・・だから傷つけたくないと答えた。それを聞いた母は、黙って出て行って傷つけないのか、約束のステージが残っているのではないかと言い、もしも仕事にプライドを持っていて、礼儀をわきまえているのなら、今夜のラストステージへは必ず行くように説得した。そして、ライブの後にドナを連れ出したら強く抱きしめて、ドナが生涯忘れられないような、そんな別れのキスをしてあげなさい・・・とアドバイスした。レイはうなずいた。
レイの最後のステージが始まった。ナットさんも、レイのステージは人気なのに・・・と残念そうだが、料理と飲み物を手配するだけで、あとは自分の自由にしていい契約のはずだと、バレリーに言われてしまった。
バレリーは、客席からレイを見つめるドナ、ドナを見つめながら歌うレイを見ていた。
ライブが終わり、レイと一緒に駐車場へ出たドナは、レイから旅立ちの話しを聞いてショックを受けた。出発は今夜このまま・・・いつ戻るかも分からなかった。ドナが「こんなのレイらしくない」と言うと、レイはドナに言っておかねばならない事があると言い出した。ひとつは、ドナを愛しているということ。それからもうひとつ・・・レイがそう言いかけた時、ドナは「他のことはどうでもいいの。あなたを愛してくれてるだけで」と言って、レイはドナと長い間キスをしていた。
【ケリー】
ケリーが現実社会に戻ったお祝いのパーティが、大学の広場で行われた(みんなでランチ)。みんなはケリーが戻った事を喜び、ケリーは「愛の力が救ってくれたの」と言った。そのパーティにはディランも参加した。ケリーは、久しぶりに大学へ戻ったディランにも、「おかえり」と言葉をかけたが、二人が話すのを自然に見られないブランドン。ケリーもそれに気付いていた。
* * *
ケリーがピーチピットへ行くと、ディランがジュークボックスで音楽を選曲した。ケリーは、ディランもレイの最後のステージを見に来たのかと訊ねた。ディランは見ないつもりだと答えた。
ケリーは、自分の復帰祝いに来てくれた礼を述べ、ディランは自分の親友だと言って頬にキスをした。ディランは、頬を手で拭いながらケリーの話しを聞き、ケリーが何を言いたいのかと訊ねた。ケリーは、ずっと自分の友達でいて欲しいと言い、ディランもOKした。
【ディラン】
ディランは、P.P.A.D.買収が成立したお祝いをしようと、既に寝ているところをバレリー起こされた。ディランはバレリーに帰るよう言うが、バレリーは買ってきたばかりのポット(マリファナ)を出して、一晩中二人で過ごそうと迫った。ディランは拒絶し、「この気分を誰かと分かち合いたい...あんたしか居ない」と言うバレリーに、「トップに立つものは孤独なものさ」と出ていくように行った。バレリーは、出がけにテーブルの上にポットを置いて出ていった。
* * *
モーテル「PALM WIND」へやって来たディラン。そこは、更生施設で知りあったチャーリーの親戚ガ経営するモーテルで、チャーリーはそこで手伝いをしていた。チャーリーは最後のチャンスだからと、施設を出て以来お酒は飲んでいないらしい。
ディランは、更生施設を出て初めて「危なかった」と、公園の木陰で(バレリーが置いて行った)ポットに火を付けようとしたが、風が強くてガスライターでは火を付けることができなかった事を話した。もしも、風が強くなければ吸っていただろうと。
チャーリーは何を悩んでいるのか・・・ケリーかバレリーのどちらで悩んでいるのかと訊ねた。・・・。ディランにとっては両方が悩み種でバレリーはマリファナをくれるしケリーは自分をその気にさせると。チャーリーは、今更どうにかなるわけでもなし、無視することが一番だと言い、人生で何をすべきか考えた事があるかと訊ねた。ディランは「ある」と答えたが、「それはわからない」と答えた。すると、チャーリーは、考えるように・・・そうでなければ、強い風が吹いていない時に、再びマリファナに火をつける日が来だろう...とアドバイスした。
ディランは、吸わなかったポットをバレリーに返すためにP.P.A.D.へやって来た。バレリーは、この後なにか予定があるかと訊ねた。すると、ディランは「バレリーとは無関係の予定がギッシリと」と言って去っていった。
【デビッド、クレア、レニー】
デビッドは、寮が一緒で音楽好きのレニー・ジミンスキーと仲良くなった。レニーの部屋には沢山のレコードが並べられていて、部屋もとても広かった。クレアがその部屋へ入ろうとすると、レニーは勝手にプレイヤーに触らないように言い、勝手に取り出したレコードは(キャプテン・ビーフハートのもの)、アルファベット順に並べてあるのでその通りに仕舞うよう命令した。クレアは二人に付き合ってられないからと、勝手に楽しむよう言い残して部屋を出ていった。デビッドは引き留めるが、クレアは、「レニーはイカれてる」と言って嫌っていた。
* * *
翌朝。クレアがデビッドの部屋から出て行こうとドアを開けると、そこにはレニーが立っていた。デビッドに借りたノートを持ってきたという。クレアが講義があるからと部屋を出て行くと、レニーは、クレアやみんなから嫌われているようだと言った。デビッドは「それならどうして寮に住んでいるのか?」と訊ね、レニーは「お金がないからだ」と答えた。デビッドは、軍隊出身なら恩給が出るのでは?と聞き返すしたが、ワケがあってもらえない立場だというレニー(頼んで、借りて、盗んで、追い出された)。デビッドはジョークのつもりで、「大声で言うと、構内に出没している自転車泥棒と間違われますよ」と言うが、レニーは怒って部屋を出ていった。
【事件】
大学構内に自転車泥棒が出没した。今朝だけでも良品の自転車が4台も盗まれ、そのうち1台はデビッドと同じ大学の寮棟に住むエイミーのものだった。その話しを聞いたブランドンは、警備員に届けたのかと訊ねたが、そんなのは無駄だという。
エイミーは自転車の盗難保険に加入していたが、両親から新しい自転車は買ってもらえないと言われて悔しがっていた。その場に居合わせたレニーは、GNPより高い自転車を持っている奴は、取り上げられる運命だと言って、クレアやエイミーの反感をかった。
* * *
翌日。今度は、カパエプシロンのクラブハウスにも泥棒が入った事が分かった。スティーブが学生議長であるブランドンに連絡し、対策をたてるのも仕事だろうと言った。
木陰に隠れるその犯人は、ケリーの後をつけ回しているようだった。
ブランドンは、なぜ今回の盗難事件でみんなが自分を頼るのか?・・・そう考えていた。ブランドンにとって、大学構内の警備は職務外だし、学生議会の議員達は、まるでブランドンが大学の予算を管理していて、警備員もブランドンが雇っていると思い込んでいるんだ!!と、その怒りをケリーに打ち明けた。ケリーは、きっとブランドンから総長に話しをして欲しいのだろうと言うと、とっくに話しはしたが、窃盗事件は日常茶飯事。自分は学生議長で、バットバンなんかじゃない・・・との事。
そんなブランドンを励まそうと、アパートへ戻ってお風呂へ入り、背中をマッサージしようと話していると、木がガサガサと揺れる音がしてた。ずっと人の気配を感じていたケリーは、気のせいだというブランドンとは逆に心配だった。
しかし、確かに二人を影から見つめる影はあった。その人物は右手にナイフを持ち、黒いズボンに黒い革靴を履いていた。
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レニーは、寮に戻ったデビッドに渡そうと、前日に頼まれていたジミー・ヘンドリックスのコピーを持ってやってきた。そこへ、寮を出て両親の家へ行くと言って大きな荷物を持ったエイミーが通りかかった。今度は、昼間の中庭の茂みでレイプ事件が起きたのだった。被害者のメロディ(学生議会のメンバー)がナイフで切られたと聞いたレニーは、犯人は誰なのかと訊ねたが、現在警察が捜索中とのことだった。
その夜。それまでブランドンに全ての苦情が集まっていたが、レイプ事件が起きて以来警察が介入し、ブランドンはノータッチを命じられた。スティーブと話しをしながら構内を歩いていると、暗がりの中をケリーがやって来た。レイプが起きた場所は、昼間自分も通った道で、間違っていれば自分がレイプされていたかと思うと怖いと言うケリー。ブランドンは、犯人が逮捕されるまで、一人で外出しないように忠告した。
レイ最後のステージには行きにくいデビッドとクレアは、大学のカフェでコーヒーを飲んでいた。そこへレニーが通り掛かり、デビッドが声をかけた。レニーはクレアがいるので遠慮するよう断ったが、クレアがレニーをテーブルに呼び、席についてしゃべっていた。そこへ、ロス市警の刑事が2人やってきて、レニーに聞きたい事があるが、おとなしく同行しないと困ることになると言った。警察はレニーをレイプ事件の参考人として連れていくらしく、レニーもおとなしく着いていった。驚いたデビッドとクレア。
【スティーブ】
父ラッシュとランチの約束していたスティーブは、待ち合わせの「BRUNO's Ristrante」へやって来たが、バレリーと父親の間に何かあったのではないかと疑い、そのおかげで非常に機嫌が悪かった。ラッシュは腹ぺこで、<石焼きステーキ(ミディアム・レア)、ベイクド・ポテト(サワー・クリーム添)、きのこのソテー>を注文する事にしていたが、食欲のないスティーブは何も要らないと言った。そして、単刀直入に、バレリーと寝たのかとラッシュに訊ねた。ラッシュは笑いながら、それは妄想で、P.P.A.D.をバレリーに売ったのはビジネスだと説明した。
ラッシュはスティーブに白い封筒を渡した。3ヶ月間P.P.A.Dに投資をしてかなり利益が上がったのと、スティーブに言われなかったら投資はしなかったので、それはスティーブへの手数料とのこと。中に入っていた小切手の金額を見たスティーブは機嫌を取り戻し、<特大ステーキ、ベガス・サラダのビレグレット・ソースがけ>を注文することにした。
【アンドレア、ピーター】
ア
ピーターは廊下でカートを引くアンドレアを発見し、そのまま当直室?へと引きずり込んだ。二人はドアの影でキスを交わし、ピーターはアンドレアの白衣を脱がせた。しかし、廊下に放置されたカートを発見したウェンディ(看護婦)が部屋のドアを開けてしまい、隠れたままのピーターが、中に居るのは着替え中で素裸の自分だけだと答えた。アンドレアは、笑いながら危機一髪だった・・・もうやめようと言うが、ピーター曰く「別の場所ならできる」と言ってキスをした。
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面接先から電話をしてきたジェシーは、コステロ判事との面接が上手くいったので、ボイシュは候補から外れそうだと、アンドレアに報告した。しかし、カンザス・シティがボイシュよりも楽しい所とは思えないと、ジェシーに話していると、突然ピーターが訪ねてきた。驚いたアンドレアは、「誰だい?」と訊ねるジェシーに自分の祖母だと答えて電話を切った。アンドレアは、万が一ジェシーや祖母が居たら困るからと、家には来ないで欲しいと頼んだはずだとピーターを責め、こんな事をしてはいけない!と、ピーターに帰るよう頼んだ。しかし、もう少しいたら・・・と言ってピーターがキスをすると、アンドレアも「私ったらどうかしている。隣で娘が寝ているのに」と言ってピーターに応えた。今夜のアンドレアは、17時から翌日5時まで夜勤だった。
夜勤のアンドレア。廊下でカートを引くアンドレアを発見したピーターは、今夜はジェシーの母親がハンナの面倒を見ていると聞くと、帰りが遅くなっても大丈夫だろうと、モーテルのキーをチラつかせた。部屋は週末まで借りてあるとのことだが、アンドレアは節操のないことは自分には出来ないと断った。ピーターは「今夜ね!」とキスをするが、ジェシーの母親がベビーシッターをしてくれているので、遅くには帰れないと再び断った。