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5-21:救出なるか?!
(Stormy Weather,1995/2/15,1995/9/16,1998/1/17)

ビバリーヒルズは連日激しい雨。

【ケリー救出作戦】
ケリーをピーチピットへ呼び出したドナとクレア。ドナは、社交クラブに飽きたのなら休部して、自分の殻に閉じこもるのは止めた方がいいと助言するが、ケリーは「自己を開発していくにはは、犠牲的行為から始めるということに分かっていない。二人とも気づくべきだ。」と返事をした。クレアは「侮辱されに来たわけではない」というケリーを、「フィンレイに言い包められてる」と言って挑発した。そこへ、ディランが「ケリーは真剣に将来を見つめてるからこそ、人間としての在り方を求めている」と言って、仲裁に入ってきた。ディランは、ケリーを送るといってピーチピットの駐車場へ向かった。
先にケリーを車に乗せたディランは、ブランドンが乗っている車へやって来た。これは全てケリーを救うための作戦だった。ディランは気が進まなかったが、ブランドン曰く「自分たちが行動を起こすしかない」とのこと。作戦通り、明日にはケリーがディランをフィンレイに紹介してくれることになっていた。

* * *

翌日。ブランドンはフィンレイの話しを聞くために、雨漏りでパニックになっている総長の部屋を訪ねた。大学にフィンレイを推薦したのは総長だった。総長曰く「既に大学から追放となり、布教活動が学外で続けられているとしても、大学側がとやかく言える立場ではない」とのこと。
ブランドンは、学部長からチラリと聞いたことのある、「フィンレイの事を生徒の親が訴えた事」について詳しい話しが聞きたいと頼むが、「その生徒の人権問題にかかわるので話すことは出来ない」と断られてしまった。ブランドンは、他の他の生徒はどうなるか!と反論するが、学外での生徒の行動は制限できないし、ケリーもきっと目が覚めるだろうと言われてしまった。

その頃、ディランはケリーに連れられて進化の家に来ていた。しばらく話しをした後、ディランを先に部屋から出して、ケリーと二人きりになったフィンレイは、「彼は直感に頼るタイプ。いまは無神論者だが、これからの可能性がある。しかし、父親の話題に触れたがらないが・・・」と、ケリーに訊ねた。ケリーから、「父親はジャック・マッケイで、ディランは未だに心に傷を負っている。」と聞いて、ディランの父親が資産家のジャック・マッケイだと知ったフィンレイは、苦悩を抱えているディランを助けてやるべきだと言って、明日のセレモニーにはディランも連れてくるように言った。

その夜。ディランの家で話しをするケリーとディラン。「強引な勧誘をされることもなかった」と言うディランに、ケリーは「押し付けがましい事はしない。誰にでも親切で、それがフィンレイ先生の魅力だ」と答えた。ケリーは母ジャッキーに話したが、騙されないように言われたらしいが、ケリーは信頼できる人と信じて疑わなかった。自分も全く同意見で、自分はケリーの見方だと伝えるディラン。
そこへ、進捗状況を聞くためにブランドンから電話が入った。ディランは、その電話がブランドンからだと悟られないよう適当に応答し、ケリーには新聞の勧誘であると言った。
ケリーは、明日行われる会員同士の結婚式に、ディランも来て欲しいと伝えた。牧師は、ローリング・ストーン誌のメール・オーダーで資格を取得したという、フィンレイが行う事になっていた。ディランは絶対に参加すると答えた。

* * *

さらに翌日。式を挙げるのは、若い新婦エレナと年を召した新郎メイソン。ケリー曰く、愛に年齢の差は関係ないとのこと。その式場の脇に設けられた白い箱が気になったディランは、それが何かをケリーに訊ねた。それは寄付金箱で、社会改革に向けての次ステップとしてオレゴンに新しく学問堂を建設する為のものだった。
式が終わり、建物の外に出たディランとケリー。その立派な屋敷が新郎メイソンの持ち物だが、直に売り払って学問堂の建築費に寄付をしてしまうと聞いたディランは、それだけの情熱がどこから沸いてくるのか不思議だった。進化の会がメイソンの人生を変えた・・・それが彼をそこまでさせるのだと言うケリーは、自分も会員になったからこそ、今の幸せがあると言った。つまり、昔の自分は外見にばかりこだわっていたが、大火傷をしたせいで他人に嫌われるのではないか?と思い込むようになって悩んだ。そんな時、フィンレイから「もっと輝いて生きなさい。自分の持つ可能性をもっと引き出すために」と言われて、立ち直ったのだと話した。いまの自分はとてもハッピーで、今のも踊りだしたい気分だと言って、ケリーはその勢いでディランにキスをして、ディランもそれに応えた。

その夜。「学問堂は、会員から寄付金を集める口実に過ぎない」、ディランから報告を受けたブランドンは確信していた。ディランも莫大なお金が動いているのは確かだと思っていた。ブランドンは、「ケリーはハッピーな様子で、フィンレイもなかなかの人間。ただ、違う哲学を持っている人間もいるということだ」と言うディランに、どちらの味方なのかを訊ねた。そして、自分たちは同じ目的(ケリーを救う)で動いているのに、何か自分に話していない事があるのではと疑った。「ケリーが感情をぶつけて来たので受け止めた」と答えるディランに、ブランドンは「寝たってワケなんだ?仕方ないで済むことか!」と批判した。ディランは特別な感情は持っていないと反論し、もしもケリーを本当に助けないなら、急がないと人がスッカリ変わってしまっているし、自分も変化しつつある・・・と告げた。にらみ合う二人。

* * *

翌日の早朝。ディランは、セレモニーへ招待してもらった礼を言いにフィンレイの元を訪ねていた。そして、サラに青写真を見せてもらったと、学問堂の話しを切り出した。フィンレイ曰く、「学問堂を建設する意義を理解してくれるスポンサーが少なくて、計画が暗礁に乗り上げかけている」とのこと。フィンレイはディランが資金協力を申し出ると、その程度の援助を仰げるのかと聞いて来た。ディランは、それには条件があると言って、まずケリーの事をどう思っているかを質問した。フィンレイは「魅力的な女性ではあるし、男としては将来を共に歩みたいと思わせる存在ではある。しかし深い関係ではない...肉体的には。」と答えた。ディランは「ケリーと恋人同士だった頃をもう一度取り返したい」と言って、ブランドンと別れるように勧めたのを同様に、ケリーと自分の仲を取り持つよう要請した。フィンレイは、自分が言えば簡単に墜ちる・・・叶えてやろうと、ディランの望みに協力すると約束した。もし作戦が成功すれば、ディランは自分の全財産を寄付してもいいと言った。

ブランドンは雨漏りで水浸しの総長の部屋へやって来て、フィンレイの件について再び訊ねるが、その件については終わったはずだと言う総長。しかし、ケリーを取り戻すまでは終わっていないというブランドンは、「大火事の時に受けた心の傷を回復できず、その時にフィンレイに出会ってしまった。それに、両親の離婚、母子の関係を保つために悩み、悪い噂を立てられて悩んでいた。思いつめ過ぎるケリーを見ている方が辛いぐらいだ。ケリーを愛していればなおさらだ。」と、ケリーが進化の会に入会した経緯を話した。
ブランドンは、昨年フィンレイに対する訴訟事件について教えて欲しいと再び頼むが、もしも書類をブランドンに見せた事が公になれば、総長自身が裁判所命令に背くことになるのでダメだと断った。しかし、気を利かせた総長は、「もし自分が食事で出ている間に、右側のキャビネットを勝手に開けて、Jのファイルにある"グレッグ・ジャレット"という名前を見つけてしまっても、まるで自分が関知しない事だが・・・」と言って、ランチで出かけて行った。
その夜。総長が残したヒントを元に、ジャレットのファイルを発見したブランドン。早速連絡をとろうと、ドナ達とビーチアパートでモノポリーをする合間を縫って、何度も電話をかけてみるが1時間半も話中状態。やっと繋がってCUの学生議長を務めると言った途端、フィンレイと関係があるのではと電話を切られてしまい、直接会って話すことを決意したブランドンは、ジャレットの住むオレンジ郡(ディズニーラインドがある地域)まで行くことにした。

進化の家−図書館。社会学の講義がツマらな過ぎるからと、チェース教授に出す抗議文を作成していたケリー。フィンレイは、「ディランは会員になるのに迷っているらしい。上手く馴染めるかが心配なのだろうが、彼は素晴らしい人材で、将来は進化の会のリーダーとなる資質を持っている。そしてディランはケリーを愛している。二人が精神的にも肉体的にも結ばれるのが最善の策・・・全身で愛しなさい。」と、ケリーに告げた。

ブランドンはオレンジ郡のジャレットの家へ到着したが、「放っておいてくれ」と玄関のドアを閉められてしまい、ドアの外から 「ジャレットがフィンレイの助手を務めていた頃、両親がフィンレイを相手取って告訴しようとした事がありましたね?いま、自分の恋人がフィンレイを崇拝していて、オレゴンまで着いて行くと言い出して、いま頼りに出来るのはジャレットしか居ない。」と叫んだ。すると、ドアの向こうから、「彼女を愛しているのか?」というジャレットの声が聞こえてきた。

* * *

翌日。ディランの家に招待されたケリーは、「本当に自分を理解してくれているのはディランしかいないと気付いた。」と言ってキスをした。しかし、ケリーが自分に愛を打ち明けるのは、すべてフィンレイの差し金であることは分かっている・・・と、ディランはケリーを突き放し、フィンレイがケリーを売った事を話した。過去、ジャレットの身に起きた事と同じケースだと言うディランは、後ろに隠れていたブランドンとジャレットを呼び、ケリーと二人で話しをさせることにした。
進化の会が設立された時からの会員だったが、なぜ部外者となったのか・・・フィンレイは、大金を巻き上げるのに都合の良い生徒探しで明け暮れているだろう。フィンレイに忠誠を誓ったこともある...と、ジャレットは一枚の写真をケリーに見せた。そこには、歳を召した女性と結婚させられたジャレットが写っていた。それは大手たばこ会社の会長で、進化の会に莫大な寄付をした女性で、それがフィンレイの手口だったのだ。

ケリーがジャレットと話している間、ブランドンとディランはテラスにいた。実際、ディランもフィンレイの魔の手に墜ちそうだったが、その魂胆を見抜いたという。普段は用心深いのに、どうしてフィンレイの手口に引っ掛かったのかが謎のブランドンに、ディランは「誰かに自分の存在価値を認めてもらいたかったのだ。きっと、死の崖っぷちに立たされるような経験をすれば分かるさ」と言われたブランドンは、すでに「死のサウナ儀式」を体験しているし、あの体験を思いを忘れていなければ、こんな目には遭わなかったろうと答えた。

ジャレットとの話しを終えたケリーは、泣きながら礼を言ってディランを抱きしめ、それを見まいとするブランドン。二人が先に車へ向かい、残ったブランドンは、どうやってケリーを説得したのかジャレットに訊ねた。ジャレットは、進化の会にいるとこうなる・・・と、傷ついた両腕を見せた。

* * *

フィンレイの元を訪れたケリーは、「あなたは偽善者で、飛んでもない詐欺師の悪党。」と攻めた。フィンレイは、ジャレットと10分間話しただけで自分を悪魔呼ばわりするのかと反論した。そして、ケリーは自分の体と引き換えに金儲けをしようとしたと言うケリーに、それはケリーの為を思ってやった事だし、強制した覚えはないと言った。そして、部屋を出ていこうとするケリーを呼び止め、いまここで辞めたら堕落する一方だが、きっと戻ってくる事になるだろうと叫び続けた。しかし、晴れ晴れした表情のケリーは、サラの呼び止めにも応じないで外へ出てきた。
待っていたのはブランドンとディラン。ディランは気を利かせて、自分は散歩をしながら帰ると言ったにも関らず、ケリーに頼まれたブランドンが一緒に帰ろうと説得に来た。ブランドンが「君が時々わからなくなる」と言うと、ディランは「ケリーを半分に分けるか?柄にもなく気を利かせているのだから、無駄な横やりは入れるな」と言って、二人は別々の方向へと進んだ。

【バレリー、レイ、ドナ】
今朝もレイと朝を迎えたバレリー(ホテルの部屋は1721号室)、一緒に朝食をとるつもりでモーニングサービスを注文していた。メニューは、ワッフルのトロピカル・フルーツ添えと、エッグス・ベネディクト(Eggs Benedictine:ニューヨークではポピュラーな朝食メニュー。イングリッシュマフィンに卵・ハム・調味料を挟んでフライパンで焼く。マクドナルドにある"エッグ・マック・マフィン"だね) 。しかし、レイは人と会う約束があるからと言って、さっさと洋服に着替えて出て行こうとしていた。そして、バレリーがドナに二人の関係がバレたら・・・と冗談まじりにレイに言うと、レイはモーニングサービスの台ごとひっくり返して出ていった。残されたバレリーは驚いた。

その夜。P.P.A.D.の前に止められた車の中でレイとキスするドナは、レイの周囲にファンの女の子がいると不安になるとこぼした。レイは、「ドナを愛している。どんな事があっても君だけを愛し続ける。」と言うが、そんな二人を、バレリーは自分の車から睨み付けていた。

* * *

翌朝。レイの自宅をバレリーが訪ねた。出迎えたレイの母は、バレリーから「レイが夕べ自分の部屋に忘れた鞄を届けに来た」と聞き、バレリーを中に入れるが、レイとの様子からワケありだと察して席を外した。
バレリーは、しつこく接したことを謝りたい&今後は「ほんの火遊び」だという約束は守ると宣言した。レイは、バレリーとは二度と関りたくないと言いかけたが、それを察したバレリーがすかさず、「この気持ち嘘じゃないから」と言ってキスをし、また明日会おうと言い残して出て行った。バレリーが出ていった後、姿を現したレイの母が、バレリーに方が一枚上手だから気をつけるよう、レイに忠告した。レイも重々承知していた。

その夜。ドナ、クレア、スティーブ、ブランドンは、ビーチアパートでモノポリーをしていた。ブランドンは外出することになり、入れ替わってレイがやって来た。ドナから、フェリースと出かけたデパートでバレリーと偶然に会い、淋しそうだから誘ったが未だ来ていない...と聞いたレイは、今夜はドナと二人きりで食事をするためにライブを早めに切り上げて来たのに、どうして大勢呼んだり勝手な事をするのかと怒った。ドナは、途中で抜け出して映画でも見ようとフォローするが、レイは気分最低!!と、ビーチアパートを飛びだしてしまった。

* * *

翌日。ピーチピットで勉強をしているドナに、レイはバンドの事でイラ付いていたと必死に弁解し、「バンドの仕事が忙しくてプレッシャーを感じるのは分かるが、今がこれだと先はどうなるのか?」とドナに言われた。レイはもう一度チャンスが欲しいと頼み、ドナもそれを受け入れた。
そこへバレリーがやってきた。仲直りしていたと聞いたバレリーは、二人でも喧嘩する事があるのかと皮肉を言い、機嫌を損ねたレイはバレリーを睨み付けながらP.P.A.D.へ向かった。ドナは、レイは新曲の事で頭がいっぱいなので、不機嫌なのを許して欲しいとバレリーに言った。

レイがP.P.A.D.のステージでギターを弾いていると、バレリーがやって来た。そして、「ステージの上でやるのも刺激的でいいんじゃない?」と迫ってきた。ドナは帰ったし鍵も掛けてきた...と言うが、レイはバレリーを突き放し、バレリーと関係を持ってしまった事を後悔しているし、二人の仲は終わったことだと告げた。

【アンドレア】
病院で働くための面接を受けに来たアンドレアは、「人事課に頼んでおく」とピーターに言われるが、コネには頼りたくないし、それは自分の為にならないと言って断った。もし、アンドレアが面接に合格すれば、二人は毎日病院で会えることになる。

出張先から電話してきたジェシーに、アンドレアは明日から病院勤務が決まったことを伝えた。ジェシーからも、最終選考までに残ったとの結果を聞くが、もし合格すれば、L.A.を離れなければならなくなると思うと、アンドレアは素直に喜ぶ事が出来ない。その件は合格が決定してから話し合うことにして、ジェシーは話題を変えるべく、アンドレアを病院に紹介してくれたお礼もかねて、週末にピーター夫妻を夕食に招こうと提案した。

* * *

初出勤で緊張するアンドレアの部屋を、コーヒーを持ったピーターが訪ねてきた。「分からないことがあれば聞いてくれ」と言うピーターと、楽しげに話していたアンドレア。しかし、ピーターと再びキスしてしまった。

* * *

病院のエレベーター内でキスするアンドレアとピーターだが、階に着いてドアが開くと、そこには出先から戻ったジェシーが立っていた。驚いたアンドレアに、ジェシーは花束を渡して「君に会いたくて、空港から直行した」と言った。ピーターが二人の前から去ると、ジェシーはアンドレアにキスをするが、アンドレアは動揺を隠しきれずにいた。


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