「みなさんもご存知の通り、わが国の銀行をコントロールしているのはウォール街のユダヤ人なのです。それだけでなく、マスコミも連邦議会も、国務省までがユダヤ人によって牛耳られているのです。ですが、このように彼らの影響力について疑問を投げ掛けると反ユダヤ主義者と言われ、謝罪を求められるだけです。しかし、今まで彼らの方が謝罪したことがありますか!下町のアパートを買い占め、貧しい我が同胞達にはとても払いきれない家賃を吹っ掛けておいてです。彼らは公然と我々のコミュニティから搾取を行っているというのにです。それからもう一つは、かつて18世紀に2500万人の同胞の多くが、彼らの奴隷戦の中で死んでいった事実について謝罪したユダヤ人は、私の知る限りたった一人もいないって事です!」ユダヤ人センターの代表ノアは、このビデオからターナー牧師が偏見に満ちた人物であるとして、講演中止の動議を議会に提出した。しかし、黒人学生連合代表のジャニスは「憲法州政第1条は言論の自由を認めている。今、それが危なくなっている」と主張し、ブランドンは双方が感情的になっている上、事実関係を調べるので動議は持ち越すと宣言して、議会は翌日2時まで閉会となった。
ジャニスと話す機会を得たブランドンは「講演会をやるにしても、大学ではない施設で」と忠告するが、ジャニスは「ロースクールでよく言われるのは、<憲法州政第1条を守り抜くか放棄するか>だ」と答えた。
夜遅く、アンドレアはブランドンを訪ねた。図書館で会ったノアから、ターナー牧師のビデオを渡され、ブランドンに講演会を中止するよう言って欲しいと頼まれたのだ。ブランドンは「現時点では10対5で黒人学生連合の方が多いらしい。自分は棄権するつもりでいる。」と答え、それを聞いたアンドレアは「アレックス達がブランドンの学生議長留任に対する申し立てを却下したら?」と裏取引をちらつかせた。黒人連合側につくアレックスは、この機会に学生議長の座からブランドンを引きずり落とそうとしており、学生議長を続けられるかの再審議が近いうちに開かれるので、ブランドンの支持者がいかに少ないかを見せつけようとしていたのだ。しかし、ブランドンはその取引を断り、アンドレアはブランドンを「無能な政治家」と言って出ていった。
翌日、ブランドンは久しぶりにジムで会ったディーションから、「ターナー牧師はショーマンだ。本当に貧しい者の味方なら、たった1回の講演で1万ドルもの講演料を要求するか。そんなのに巻き込まれるなよ。」との忠告を受けた。
2時。議会が再開された矢先、大学内に爆弾をしかけたという通報があり、全員学生会館へ非難するよう命じられた。爆弾処理反は、反ユダヤ人防衛連盟の一派かK.K.Kの仕業であると見ているが、はっきりとはしなかった。学部長は「自分はジョージア州立大学初の黒人学生の一人で、人種差別を反対する運動をした時は様々な嫌がらせを受けた。キング牧師がワシントンで演説をした時は自分もいた。差別の撤廃を求めてデモ行進をしたが、ユダヤの人々も大勢参加していた。今こそ差別問題を解決するよう、真剣に考えるべきだ!」と、ブランドンに話した。
「歴史をねじ曲げようとしているターナー牧師に対して戦っているんだ!」と主張するアンドレアは、ジェシーから「君は人種差別の論争、注目されている事に対して浮かれているように見える。言論の自由があるからといって差別発言をして良いことにはならないが、違った意見も聞き入れるべきだ!君はいい妻であるいい母親でもあるが、心が広いとは言えない」と言われていた。
その頃、ニュースで放送されたアンドレアの怒りのスピーチを見たブランドンは、「もう耐えられない!誰もが納得できる妥協案を出そうとしていたのに、テレビを通じて親友からも馬鹿にされたんだ」と怒りを爆発させるが、ジム曰く「ブランドンは馬鹿ではないし落後者でもない。ただ、いまの社会の権力構造では、白人は実際以上にその力を押さえられているということなんだ...時代とともに」という。
そして翌朝、アンドレアに会ったブランドンは、信念を持って言った言葉なら取り消す必要はないと告げるが、アンドレアは友達としては謝りたいと言って仲直りした。そして、二人はユダヤ人センターまで歩きながら話した...アンドレアは「自分たちが講堂に押しかけたりしたら自分たちの味方はいなくなる」とノアに忠告したことを話し、ブランドンは「ユダヤ人センターのメンバーが過激な行動に出ないように監視すべきだ。講演中の警備について、お互いに話し合えば納得できる策が見つかるだろうと、ジャニスから提案があった」と伝えた。
ユダヤ人センターに到着した2人が見たものは、壁のあらゆる場所に落書きされた鍵十字だった。メンバーはその前で「STOP THE HATE」と書かれたカードを持ってデモを行い、講演会が終わるまでは落書きを残しておいて欲しい...と、ブランドンも口添えをするが、大学側としてはその落書きを放っておくことは出来ないと学部長が主張。ドイツ・ナチスのシンボルを利用して何を訴えたいのか疑問だという学部長の問いに、ブランドンは「二度と起こらないことをです」と答えた。
講演会のデモへ出かける前、アンドレアはおばあちゃんにも参加してもらい、ノアのインタビューを受けて欲しいと頼んだ。もちろん悲惨な体験を思い出すのだから辛いのは承知だが、この90年代で反ユダヤ主義が蔓延っていることは許せないというアンドレア。おばあちゃんは、「いつの時代にも人種差別、それに絡む争い事やもめ事も存在する。けれど私が一番辛いのは、アンドレアが友達までも敵に回して争っているという事。そして愛する夫までも遠ざけている。時には黙って人の意見を聞くことも大切だ。若い人にこんな事を言ってもわかってもらえないかもしれないが、紀元前のユダヤ法典には、反ユダヤ主義者は拒絶すべきだと書いてある...その人間に激しい憎悪しかない場合は。でも、例えば自分たちのコミュニティに発展に力を注いでいるターナー牧師のような人が反ユダヤ主義者なら、私たちは説得すべきよ。チャンスさえ与えられれば、必ず自分の間違いに気付くはず。」とアンドレアに話した。しかし、ターナーはそんな素直な人間ではないと、アンドレアは反論。おばあちゃんは「なぜ決め付けるのか?もしも自分だったら外でデモなんかしてないで、講演会を聞いてから判断するけれど」と言って、アンドレアは自分もターナー牧師の講演会を聞くことを決意した。
厳重な警備が敷かれ、ユダヤ人センターも冷静な行動をすると約束した為、講演会の会場周辺は冷静な状態を保っていた。デモ参加者はロウソクを持って静かに並び、アンドレアもおばあちゃんと一緒にやってきた。アンドレアは、ターナー牧師のユダヤ人に対する意見を直接聞きたいと、講演会を直接聞きたいとジャニスに申し出て、ジャニスも喜んで承知した。ジャニスはおばあちゃんがホロコースト(ユダヤ人大虐殺)について語ったビデオを、いつか是非見たいと言って、おばあちゃんを会場へ案内した。
【デビッド】
デビッドはアンドレアに、ターナー牧師の講演を反対する署名を頼まれた。デビッドにもユダヤの血が混ざっていたが、「政治には興味ない&個人的に差別を受けたことがない&自分の人種を意識したことはない!」と答えた。しかし、「自分は関係ないと言い張る人間は、自分の味方もいないのだ」と言われたデビッドは、次第にその事を深く考えるようになり、自分がユダヤ人であることに対して、クレアはどう思っているかを聞いてみた。クレアは、デビッドをユダヤ人として見ているわけではない。そういう物差しは意味がないし、人種は関係ない」と答えた。
講演会当日、デビッドは壁に落書きされた鍵十字を見ながら再び考え、自分も講演会当日のデモに参加することを決めた。デモ参加者の中にデビッドの姿を見つけたアンドレアは、デビッドに近寄って抱きあった。
【ケリー】
セブンティーン・マガジンの撮影を大学の中庭で行うことになったケリー(詳細はこちら)。編集部のノーラと共に準備を進めるケリーだが、応援にやって来たスティーブとドナから、中庭で起きている騒動について聞かされて驚いた。カメラマンのチャールズも怒りだし、撮影は中止となった。「これまで自分は中身で判断してもらえる仕事を世界中でしてきたが、最も自由の国であるアメリカへ戻ってくると思い知らされる...どんな事でも肌の色で決定されることを」と、ノーラはブランドンとケリーに訴えた。
大学での撮影はコリゴリと言われたケリーは、別の日にスタジオで撮影されることになり、なんと!それがセブンティーン・マガジンの表紙に使われることになったという。
【ディラン】
「CHENEY HOSPITAL」のインターン・ジェイミー・ヤングがディランの病室を訪ねてきた。彼女は臨床体験をした患者が見た夢について研究しており、ディランにも「意識を失っている時にどんな夢を見た?」と質問するが、ディランは何も覚えていないと答えた。
バレリーがディランの見舞いにやって来た。しかし、「誰にも会いたくない...特にバレリーには」というディランの気持ちを尊重するアイリスは、「もう少し待ってやって、本当に好きだったら」と言って、何か手伝うことは?というバレリーに、ディランの身の回りの品を家から持ってきて欲しいと頼んだ。アイリスは、バレリーオーラを感じていた。
ディランの家へやって来たバレリーは、部屋に隠されているはずのドラッグを探し回り、それをタンスの中から発見した。バレリーが全てトイレに流し終わると、ドラッグの売人がディランの友達を装って訪ねてきた。バレリーから入院している病院を聞きだした売人は、ディランの病室へやって来ると、自分からドラッグを買ったことを警察に言うな!と脅した。
ディランは、以前にも更生施設に入ったが病気が再発してしまったので、今度は徹底的に直したいと言い、アイリスも賛成した。
【ドナ】
レイの誕生日が今度の金曜日だと知ったドナは、レイに25歳の誕生日パーティをしようと持ちかけるが反対されて、自分の星占いに書いてあった通りの事「いつもと違う行動をしましょう。そうすれば欲しいものは必ず手に入ります」を実践すべく、クレアに「金曜の夜8時にサプライズ・パーティをやるわよ」と提案。
予定されていた参加者は、ケリー、ブランドン、アンドレア、スティーブ、クレア、デビッドだった。しかし、ケリーは撮影が入ってパス、ブランドンとアンドレアはそれどころではないし、スティーブは「カパエプシロンのメンバーは一致団結しないとな(詳細はこちら)」とのことでパス。クレア、デビッドの4人でささやかなパーティを行うことになったが、急きょデビッドがターナー牧師の講演反対デモに参加することになり、サプライズ・パーティは中止となってしまった。
レイがやって来た。実はサプライズ・パーティを予定していたのだが...とドナは詫びるが、自分が知りたいのはドナだけだし、歌の歌詞にしたいのもドナだけだと言った。そして、ドナはレイにギターをプレゼントした。